好きだ22 ページ23
引き続き唄side
私が首を傾げるのを見て教授はのんびりと歩きだし教室にある有名な画家が載った本を持ってきてペラペラと捲る。
教授「歴史的に有名な画家の中には君のような、いや、もっと大きな障害を持った人が大勢いるね。彼らは自分のそれを障害だと思ったことがあると思うかい??」
"どうでしょう。障害の大きさはそれぞれの考え方によるでしょうけど、彼らはそれ以上の秀でた才能を持ってますからそんな事は思わなかったんじゃないですか??"
教授「ふむ。わしもそう思うよ。、、おや?不思議だね、君のその絵の才能だって秀でたものだとわしは思うよ。なのにその才能を持つ君は自分のそれを障害だという。」
"私の才能なんて、彼らに比べたら小さなものです。"
教授「才能にしろ障害にしろ全てのものはそれぞれ人のものさしによって違うものさ。」
何だかややこしい話になってきて頭がこんがらがる。
教授「ほら、もう一度考えてごらん?わしから見たら大きな障害を持った有名な画家も耳は聴こえないが素晴らしい絵を描く君も変わらない。君は絵の他にも沢山の魅力があるのをわしは知っているよ。ならば君のそれは障害ではなく人生においての少しのハンデだと思えてこないかい??」
"障害"ではなく人生においての少しの"ハンデ"。
教授の言葉に胸が熱くなる。
教授「障害を背負わせるのは重荷かも知れんが、少しのハンデくらい君の描く彼は軽々と背負ってくれそうだとわしは思うね。」
私はキャンバスに舞う一君を見る。
ほんとにそうでしょうか。
一君は私のハンデを一緒に背負って歩いてくれるでしょうか。
羽根が生えたようにすら見える跳躍力をもつその力強い手足で
私のハンデを抱えて飛んでくれますか??
教授「あと、筆が進まないと君は言ったね。絵は何かしら伝えるために描くものだよ。相手に伝える気のない絵なんて筆が進むわけがないんだよ。」
教授はそういうと、お茶の時間じゃ。と言って教室を去っていった。
伝える気のない絵なんて描けるわけない。
私は大事なことを忘れてた。
一君が私のハンデを受け入れてくれるかどうかは別として
私はまずこの絵で一君に気持ちを伝えようと思います!
そう思った途端、先程とは打って変わったように筆がスイスイと進むようになった。
学祭までに最高の絵を仕上げよう!
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作者名:晴雛 | 作成日時:2017年12月3日 4時