好きだ17 ページ18
唄side
皆さん、始めまして。
ここに来てやっと私sideです。
実は最近いい事がありました。
それは私が通ってる芸大の近くにある高校、青葉城西高校のバレー部に見学に行けるようになったことです。
昔から耳の聞こえないせいで引っ込み思案だった私がなぜそのようなことが可能になったかと言いますと、まぁ色々あったのですが主に副主将である岩泉一君という子のおかげです。
彼はとても誠実な性格なようで、耳の聞こえない私にも甲斐甲斐しくお世話をしてくれます。
最初は戸惑いつつ恥ずかしさもありつつといった感じで私に分かるようにゆっくり会話をしてくれていましたが今では慣れたものでちょくちょく手話も混ぜてくれます。
彼が初めて手話を使ってくれたときはとても嬉しかったです。
今までの友達も仲良くしてくれた人はいたけれどみんなどこかよそよそしいというか当たり障りないというか、わざわざ私のために手話を覚えてくれるような人は居なかったから。
一君や徹君、たまに松川君や花巻君まで私に手話を使ってくれるのは感謝意外言葉にすることがありません。
今日も部活の時間にお邪魔してデッサンを進める。
ギャラリーにはいつも通りすごい人数の女の子たち。
どうやらみんな徹君のファンらしい。
確かに彼は高校生とは思えないくらい整った顔つきで芸術作品のよう。
でも私は一君のような顔が好きです。
彼が私に伝わるように屈むとき彼の凛とした力強い瞳が私を移していると思うと胸が高鳴ります。
バレーをしているときの獲物を狙うようにボールを追う姿も勇ましくてかっこいいです。
そんなザ・日本男子といったような彼をデッサンするのが今の私の生き甲斐と言っても過言ではありません。
彼の姿を目に焼き付けるようにデッサンに夢中になっていると
ふと肩を叩かれた。
こんな所で私に声をかける人が居るのかと不思議に思いつつ顔を上げると青城の制服を着た女の子が2人。
どこか私を敵視するような、怪訝そうな顔で立っていた。
モブ女1「ちょっと!さっきから声かけてるんですけど!!!」
片方の女の子が怒ったように何かを言っているけれど早すぎて聞き取れない。
私は急いでデッサンしていたノートの端に耳が聞こえないのでここに書いてほしいと書いてみせると彼女たちは驚いた顔をしたあとに気まずそうな顔をしたが意を決したように私からノートをふんだくった。
203人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:晴雛 | 作成日時:2017年12月3日 4時