好きだ16 ページ17
及川は大きな声で叫んだと思ったら俺のカバンの中を漁りだし、一冊の本を取り出した。
今日の授業で借りた手話の本。
及「こういう時のために借りたんだもんね!」
『いや、別に。唄サンが書くより手話のほうが楽そうだったから俺だけでも意味が分かれば通訳とかできるなって思って借りただけだ。』
そう、俺は意味が分かればいいと思っただけで自分が手話を使う側になろうと思ったわけではなかった。
松「ま、理由なんて何でもいいだろ。いいじゃん、手話で告白。」
花「うん、真っ直ぐ素直な岩泉らしいと思う。」
松川と花巻に言われ、それも良いかもな。と思い本を捲る。
松「好き。"右手の親指と人差し指を開いて、顎にあて、斜め前に出しながら指先を付け合わせましょう。"だって。」
及「こんな感じ?」
及川が本に載ってる絵のように手を動かす。
う"、これ俺がやんのか、、結構恥ずかしい。
花「何だ、ハートとか作るわけじゃないんだな!」
花巻のこの一言に正直そうじゃなくてよかったと心から思った。
及「ほら、岩ちゃんもやってみなよ!」
『くっそ』
及「俺達で恥ずかしがってたら唄サンになんて出来ないよ!」
『こ、こうか??////』
俺は真っ赤になりながらさっき及川がやっていたようにやった。
松「でもこれ日常的に生活してて急にやるってむずくない?」
花「確かに。手話で会話してたとして急にこれやられてもな。は?ってなるだろw」
『ちょっと笑ってんじゃねぇよ!!』
及「これ単語だからじゃない?もっと文章でさ!"私はあなたを愛しています。"みたいなの!」
『キメんな。うぜぇ。』
松川がうーんと唸りながらページを捲る。
松「お、いいのあった。」
突然松川は人差し指で自分を指したあとに花巻を指し、先程の好きをやってから開いた右手を下に軽く下げた。
花「お?」
その後人差し指を立てた両手を胸の前で交差させ、開いた両手を再び交差させた。
最後に右手で拝むように額から手を垂直に斜め下へ下ろした。
花「なに、今の!めっちゃ手話っぽい!」
及「ぽいじゃなくて手話だから。」
『、、意味は?』
俺の質問に松川はにやりと笑い
松「"私は貴方が好きです。恋人になって下さい。"」
花「おぉ。直球。」
及「いいね、これで決まり!」
『勝手に決めんなよ!、、まぁ悪くねぇか。』
及「練習しなきゃね!」
その日の帰りは3人に何度も特訓させられた。
203人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:晴雛 | 作成日時:2017年12月3日 4時