好きだ12 ページ13
いつもは全く気にならないギャラリーに今日は意識を持っていかれる。
ギャラリーにはいつも通り及川のファンが殺到しギャーギャーと騒ぎ立てる。
その中でさっきより少し後ろに下がり真剣な顔をしながら何かを懸命に描いていてる唄サン。
クッソ、及川のファンが邪魔だな。唄サンの視界を遮るなよ。
及「あれれー?岩ちゃん集中してないねー。大丈夫、岩ちゃんのことなんてだーれもみてないから☆」
『あ"?てめぇのファンが邪魔何だよ!絵描いてる横でギャーギャー騒ぎやがって。』
及「ギャーギャーって酷いな!みんな俺のこと応援してくれてるのに!それに唄サンだってそんな気にしてなさそうだし♪」
及川は外面イイ笑顔でギャラリーに向かい手を振った。
??「「キャーーーー!!!!」」
う、る、せ、ぇ。
唄サンもさすがに何事かと辺りをキョロキョロ見回してる。
あぁ、ギャラリーが邪魔なんじゃない。及川が邪魔なんだ。
こいつが居なくなれば全て一件落着。
そう考えた時にはバレーボールを握っていた。
及「あれ?岩ちゃん?どーしてそんなに目が据わってるの??、、そのボール何?何で及川サンに向かって振りかぶってるの??、、ギャーーー!」
全力で及川に向かってぶん投げた。
こうして今日の部活は幕を閉じた。
及「岩ちゃん、自主練する?」
『あー、、唄サン送ってくって言っちまってるから今日は帰るわ。』
松「その唄サンとやらが平気なら下に降りてきてもらえば?もう人も少ねぇし怒られないだろ。」
及「ナイスアイディア!その方が間近で絵もかけるだろうしね!」
『あぁー、、聞いてくるわ。』
ギャラリーへと上がると真剣にノートをパラパラとめくる唄サン。
目の前に立った俺に気がつきやっと顔を上げる。
"今日はもう終わり??お疲れ様!"
笑顔でノートに書いた文字を見せてくる。
今日の部活での疲れが一気にぶっとんだ瞬間だった。
俺はノートを借り、
"これから少ない人数で自主練するけど、時間が平気なら下で見るか?"
俺の文字を見た瞬間目を輝かせる唄サン。
"いいの??"
"あぁ、もう4人くらいだしボールもそんな飛ばさねぇし。"
"ありがとう!!やっぱり表情とかは遠くて描きにくかったんだ〜"
彼女はそう言うと張り切って立ち上がり、俺の手を掴んだと思ったらギャラリーを駆け下りた。
(心臓に悪いからやめてくれ!///)
俺は繋がれた手に釘付けになりながら着いていった。
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作者名:晴雛 | 作成日時:2017年12月3日 4時