好きだ10 ページ11
ついに放課後。
体育館に向かいながら俺は先程借りたばかりの例の本を熟読中。
もうこうなったら開き直ってやる。
及「もー、岩ちゃん、危ないよ!」
『、、。』
及「岩ちゃん!」
花「おいおい、あんまり岩泉怒らせんなよ〜。って何?!岩泉が本読んでる!!」
『あ"?』
松「へぇ。あんまり慣れないことしてると熱出るぞ。」
花「お大事にどうぞ。」
『お"い、どういう意味だ、コラ。』
本を閉じて及川に向かって拳を握る。
及「ちょ!なんで俺なの?!」
『ムカついたから。』
及「理不尽!」
すると俺の手から本がスルッと抜かれた。
松「ん?何でこんな本読んでんだ?」
『、、関係ないだろ。』
俺は乱暴に松川から本を取り返す。
及「どうせすぐバレちゃうんだから隠す必要無いんじゃないのー?」
『俺が勝手に言っていいもんでもないだろ。』
花「何なんだよー。俺達全然わかんないんだけどー。」
俺達の間に気まずい空気が流れるが俺は言うつもりはない。
その沈黙を破るように俺の携帯が鳴った。
『あ?』
唄サンごめんね、迷っちゃったみたい。時間があったら校門のところまで来てくれないかな??あ!無理しなくていいからね。
『悪い、先行っててくれ!及川、ちょい遅れるわ。』
花「ちょ!岩泉?!」
及「りょーかい、お迎えかな?」
3人に背を向け校門へとダッシュする。
そこに居たのは昨日見たサラサラな茶髪を靡かせる後ろ姿。と、うちの男子生徒2人。
何だあいつら。
?「ねーねー、こんなトコでなにしてんの??」
?「俺達と遊びに行かない??」
唄「、、、?」
ナンパか。
理解した途端、頭に血が上った。
『お"ぃ、何してる。』
?「あ?、、げ、岩泉じゃん。」
?「うわ、何で岩泉がいんだよ。」
男たちは俺を認識した途端そそくさと逃げていった。
まぁ青城の腕相撲王座を3年死守しているからな。
俺のジャージの裾が引っ張られる。
『あ、大丈夫っすか??』
彼女は掌を下に向けた左手の手首の所を右手で切るようにトントンと叩いた。
あ、これはさっき本に書いてあったやつだ。
確か、意味は、『ありがとう。』
『いや、どーってことない。、、体育館行くぞ。』
俺は彼女の手を引き体育館へと歩いた。
彼女の手話が分かるのは想像以上に感動した。
彼女の手話と俺の声が重なる。
彼女の声はこの手話。
ーーー初めて彼女と会話ができた気がした。
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作者名:晴雛 | 作成日時:2017年12月3日 4時