4話 ページ5
「これ、もし良かったら蛍に届けてくれない?」
「え?」
退屈な午後の授業が終わり兎月は、鼻歌を歌いながら家へと帰っていた。
しかし、途中で月島ママに呼び止められ、月島への扱いを頼まれたのだった。
「いい、ですけど。一体何を届ければいいんですか?」
兎月がそういうと、月島ママは助かるわと微笑みながら手に巾着袋を乗せてくる。
「サポーターとタオルを忘れてっちゃったらしくってね。ほら、部活の時に出ないと大変でしょ。」
「確かに、大変ですね…。それにしても月島が忘れ物なんて珍しい。」
と、苦笑いする兎月。
「(もうすぐテストだし、少し焦ってたのかな?)いや、月島に限ってそんなことはないか…。」
ボソッと呟くと、なんか思い当たることあるのかな?と月島ママが食い気味で聞いて来る。
「いや、多分思い違いなので何でもないです。じゃあ、一旦家に帰って荷物置いてから月島に届けて来ます。」
「ありがとうねー。珍しいじゃん。どうしたの?って蛍に伝えておいてちょうだい。」
「分かりました!」
兎月は、ペコリと頭を下げてそそくさとその場を後にした。
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作者名:五宮 | 作成日時:2024年3月28日 20時