3話 ページ4
日向と、兎月が手を握ってから、数分が経過した。
お互い放すタイミングを失ってしまい、硬直状態が続いているのである。
「ねぇ、そろそろ授業始まるんだけど。いつまで手を握ってんのさ。」
月島にそう言われ、兎月、日向はようやく手を放す。
「ん、じゃあ、授業もうすぐで始まっちゃうらしいし、またね日向。」
「またな、兎月ー！」
そう言い日向は颯爽と自分の教室へと戻っていった。
「あ、ありがとう月島！君のおかげで手を離すタイミングが出来たよ！」
急に振り返り、キラキラした目で言う兎月を前に月島は見るからに呆れた目をする。
「はぁ？離したいタイミングで離せいいだけじゃん。」
「それがさ、一回日向が放そうとしたんだけど俺が力込めちゃって……。離せない況つくっちゃった。へへ！」
おふざけ程度に言う兎月により一層呆れ、じゃあもう教室戻ると言い背を向けそそくさと戻ろうとする月島。
「待って、戻るんだったら俺も一緒に行く。」
「まだ何かあるの？」
そう言い、月島はこれでもかと嫌そうな顔をしながら後ろを振り返る。
「さっきの日向って人すごく面白いね。月島の知り合い？」
「同じ部活だけど。それが何？」
「いんやー？特に理由なく聞いた。」
月島は、あっそと白けた返事をすると教室へと向かっていく。
「おい、待て待て。って聞いてないなこれ……。」
はぁ、と溜息をつきながら兎月は月島の後を歩いて行った。
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「それにしても、月島が楽しそうに喋るなんて珍しいじゃん。」
「は？そんな楽しそうにしてた？」
「俺と話している時よりかは楽しそうだったぞ。」
「目が腐ったんじゃないの？」
「酷い！」
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作者名：五宮 | 作成日時：2024年3月28日 20時
