1話 ページ2
「月島が……女子と話している?!」
長い長い午前中の授業が終わり、昼休みに差し掛かった頃。
日向翔陽は、驚くべき光景を目の当たりにしていた。
あの、月島が。誰かと雑談をすることがないと等しいくらいの月島が。山口以外としかも、女子と話していたのだ。
月島ー!と大きな声を上げながら月島のところへと走って行く日向。
「何?うるさいんだけど。」
そんな日向に対して、月島はこれでもかと嫌そうな顔をする。
「なあ、月島!この人誰だ?」
「別に、誰でもいいデショ」
白を切り視線を逸らす月島を見て、日向は閃く。
「もしかして、月島の彼女?」
「は?」
その言葉を聞いて、月島と喋っていた人はケラケラと笑い出した。
「彼女…ッうん。そうだよ……w」
お腹を抑えて笑いながら言う月島と喋っていた人に対して眉間にしわを寄せる月島。
「ちょっと、変なこと言わないでくれる?それに、こいつと付き合うのは死んでも無理。」
「月島君ったらー。そんなこと言うなんて酷いじゃないかー!
月島の隣にいる人はそう言いながらプスプスと月島の頬を突くが、バシンッと月島に手を叩かれてしまう。
「痛ったぁ!そんなに強く叩かなくていいじゃん。暴力反対!暴力反対!」
それに続くように暴力反対!と日向も便乗する。
「それに、月島。女の子を叩くのはよくないと思う。」
日向がそう言うと、二人の動きが止まる。
「ん?待って、君俺のこと女の子って言った?」
「はい。」
キョトンとした様子を見せる日向にたいして、月島の隣にいた人はまたもやケラケラと笑い出した。
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作者名:五宮 | 作成日時:2024年3月28日 20時