【センラ】社畜リーマン歌い手はお腹が空いているようです

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「…あと何か話し合っておきたいことはありますか？」


「んー…暮らしていく面ではもう特にないですかね」


「じゃあこれで大丈夫ですね！！今日からよろしくお願いします」


「住まわせてもらってありがとうございます。よろしくお願いします」



お互い深々と頭を下げ、同時に顔をあげる。ふいに目が合ってしまって笑みがこぼれた。



「もう準備しなくちゃですね！私もそろそろお店入らなくちゃ」


「…ちょっと、いいですか」



折原さんは準備をしようと立ち上がった私の手首を掴み、そう言った。



「あれ、何か忘れてましたっけ？」


「いえ、特にそういうわけではないんですけど…。お願い、聞いてくれはりますか」



ぎゅん


と胸のあたりから変な音がしたような気がした。
上目遣いをし、眉を少し下げてそんなことを言ってくる綺麗な顔のこの男性は、だいぶずるい人だと思う…。



「な、んですか？」



どぎまぎしてしまい目が合わせられない。
やっとの思いで聞き返す。



「A




A、って、呼ばせてくれへん？」



…これは拷問か何かなのだろうか。

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