ん。２【音駒】

ん…… ページ10

黒尾side


研磨と早めに集合をする形になり、待ち合わせ場所に着くと既にぽつぽつと人はいた。



「おー！ 二人とも早かったな」


「あれ、結構早く着く予定だったんだけど」


「全然問題ないから大丈夫だよ」



時間が近づいてくると、さらに増えてきて、最後にAだけこない感じになった。



「もしかして、あいつ寝坊とかしていないだろうな」


「いやそれはないでしょ……」


「Aさんの私服って、どんな感じなんですか？」


「いや、実際に俺も見たことないんだよなあ……

ふわふわのワンピース？ それともジャージで来るか……うーん、どの服を着ても素敵です！」


「まだ来てないですよAさん……」



山本と一年達との会話を聞いてそういえば、と思った。

そうか、2年1年は見たことねえのか。

俺も初めて見た時はびっくりしたな……制服とジャージのイメージしかなかったし。



「あ、来たみたいだぞ」



時間ピッタリに来たA。

彼女は、黒い猫耳フードに、ホットパンツで、スニーカー。

そしてその中にはロゴの入ったTシャツを着ていた。

ネコのイヤリングもしていて、あのおとなしい感じとは想像できないほどパンクロックと言うか、カジュアルだ。



『ん』


「大丈夫、時間通りだ！」


『ん……』



遅れたのかと思ったのか、胸をなでおろしている。

さて後輩たちの様子は……。

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