ん。２【音駒】

ん゛〜…… ページ27

谷地side


「Aちゃーん、朝だよ」


『……』


「A先輩！」


『……ん』



なかなかA先輩は起きない……。

朝、苦手なのかな。

まだ全然余裕があるにはあるけど、先輩以外みんなもうマネージャーは起きている。

ゆすっても目が開かない。



「仁花ちゃん、頑張って布団を剥ごう」


「え！？あ、はい」



清水先輩がそう言い、「せーのっ」でA先輩の布団を引っ張る。



『ん゛〜……』



かすれ声を出して、A先輩はむくりと起き上がった。

でも、目はあいていない……。

がくがくと首は上下に動いている。



「A先輩、大丈夫ですか……？」


『ん……』



目を閉じたままスッと立ちあがり廊下に出た。

本当に大丈夫なのかな……。



　






　




研磨side



前を歩いていると、マネージャーの部屋の方からAさんが出てくるのが見えた。



「あ、Aさ……」



話しかけようとしたけど、なんかフラフラしている。

よく見てみると、まだ寝ぼけているらしく、目を瞑っている。

今にも倒れそうな感じだ……！

急いで近寄って、すぐに肩を支えると、そのまま崩れていった。

俺もさすがに支えきれずに、そのまま床に倒れ込む。



「いてて……」


『……』



またねむちゃった……。

ちょっとこれ動けないな……助けを呼ぶしかないかも。

とりあえずクロを電話で呼ぶことにした。



「おいおい、なんでこんな数ｍ先にドアあるのに声で呼ばないんだ？」


「めんどくさかったから……とにかくAさんどかしてほしい」


「はいはい……ほら、A。起きろよ。廊下で寝たら迷惑だろ〜？」


『ん……』



クロが脇を抱えて起き上がらせようとする。

力の無くしたぬいぐるみみたいで面白い。

写真、撮っておこう。



「疲れが取れていなかったんだろうな。まぁ無理矢理起こすか」



なぜだか起こすのに慣れているクロは、Aを叩き起こした。

んー→←ん゛

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