その名を ページ48
転移したのは地下室
其処に居たのはマスターとパンダ
「協力を仰がれた故…」
マスターはそう云ってちらりとパンダへ視線を送った
「有難う御座います」
パンダはぺこりとマスターに頭を下げた
「私の異能力は指定した者を転移させるモノです。逃げ出すのは吝かでは無いでしょうから私はこれで…」
マスターはパチンッと指を鳴らすと一瞬にして消えた
隣に視線をやると中也は此の非常事態を悟った様で直ぐに仕事モードに
そう云えば祝宴も仕事だったような
緊張感無さすぎでは?
そう思ったが、直ぐに先程消えていったマスターの存在を思い出す
成程、協力か…
大方度数の強い酒を呑ませたのだろう
一口で意識が飛かける様な
「パンダさん、如何して?」
「云ったでしょ?試す為。其れと、未だ気づいて無い何て、云わないよね?」
「お姉ちゃん……」
そう、彼女がパンダこそがお姉ちゃんなのだ
「そうだよ。Aちゃん【異能力】【形見】」
【展開します】
【太宰へ連絡を取る→太宰がマスターに触る】
【中也と共闘する→彼女について判る】
正直に云おう
わたしはずっとお姉ちゃんから逃げ続けてきた
こんな事を企てる程に追い詰めた
だから、わたしが蹴りを付ける
お姉ちゃんは右手を空に掲げた
「【純愛なる生命、消えた燈を再び!!】」
そうだ、この異能力。お姉ちゃんが嫌いだと云った能力だ
『私の両親私が幼い頃に死んじゃってね、それで【形見】両親が残してくれた異能。
でも、この異能はね──』
嗚呼、わたしが知らない内に嫌いだと云った異能も思い出したくないと泣いた両親の死も──
全部克服してたんだ
「……ごめんね、お姉ちゃん」
わたしが謝っている間にお姉ちゃんの右手にはパンダが出来上がった
彼女の死んでしまった親の守護霊だ
一つ、二つ。
双つのパンダは人間の大きさまで大きくなりわたし達に襲いかかった
「わたしにこれを倒せる資格なんてないよ…」
そう呟いた時
──ボコンっ
鈍い音がしてパンダが倒れた
「なら俺が倒す、操ってる奴を手前は倒せ」
又扶けられて仕舞った
「お姉ちゃんの事は大好き。でも、中也を殺そうとした分の借りは返す」
ナイフを抜いて彼女へ走る
「私の名」
ポツリと彼女は零した
時が止まったと錯覚した。足が止まる
「夢、異能力、私の凡てを忘れて」
──キミは何ト云ウ?
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爽斗 - せれな さん» 本当ですか!!ありがとうございます!!頑張ります!! (2021年8月27日 22時) (レス) id: 5b5562e114 (このIDを非表示/違反報告)
せれな - 本当に面白いです これからも応援しています! (2021年8月25日 20時) (レス) id: 6fed7b85b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:爽斗 | 作成日時:2021年7月15日 2時