初めまして…? ページ1
やっと…
やっと…
やっと!やっと見付けた!!
「待って…!ハァ…ハァ…」
呼吸が荒い。
吐く息は白いが、走ってきた所為か寒くは無い。
いや…少し違うかな。
彼を見付けた興奮で、手が、顔が、体全体が熱く火照っている。
「待って!」
繁華街から一転…彼を追い掛けて行った先は薄暗い路地裏。
「待って、中也!」
そう叫ぶと、数十メートル先を歩いていた彼がピクリと耳を動かし、止まった。
良かった…。
軽い足取りで彼の元へと走る。
彼──中原中也が振り向いた。
目が合う。
やっと会えた。
云わなきゃ。何度も練習した言葉を──!
一つ深呼吸をして、心臓を落ち着かせる。
「わたしはA。久し振りだね、中也君」
其処には、久し振りの─しかし、想像通りの顔をした青年が居た。
しかし、想像と違ったのは、
「お…おう…」
中也がずっと、困った様な表情をしている事だった。
…………もしかして…と思った。
もしかして
………忘れられてる?
「悪ィ」
中也が謝った。
本当に申し訳無さそうに謝った。
わたしは吐きそうだった。
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爽斗 - せれな さん» 本当ですか!!ありがとうございます!!頑張ります!! (2021年8月27日 22時) (レス) id: 5b5562e114 (このIDを非表示/違反報告)
せれな - 本当に面白いです これからも応援しています! (2021年8月25日 20時) (レス) id: 6fed7b85b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:爽斗 | 作成日時:2021年7月15日 2時