番外編 実戦形式 その２ ページ38
「じゃあ、俺の読むぜよ。
『小野寺は 案外胸が 小さいのう。』ナリ。」
「仁王くん、ぶん殴る。」
「わ、ちょ、ちょっと待て！！
冗談じゃ、冗談！」
怒りのオーラを感じて慌てて訂正に入ろうとするが小野寺が「殴るよ？」と疑問形ではなく
「殴る」と完全に殴るき満々できたため
仁王は必死に首を横に振り、小野寺の拳から逃げた。
「仁王くん！
あなたという人は、なんて失礼なことを
女性に言うんですか！」
「プリッ」
「仁王くん！
あなたは少し反省するべきですからね？！
いつもいつも、人を騙したり…」
そこから小一時間ほど、
柳生の仁王に対するお説教が始まった。
その様子を隣で見ていた小野寺は
ため息をついた。
柳生くん、お説教長いな…
仁王くん絶対に上の空状態で
聞いてなんかないだろうし…
「あ、出来た！
なあ柳、これどう？」
声を発したのは、幸村が連れてきた少女で
紙に書いたものを柳に見せて、笑っている
「……まあ、良いんじゃないか？
面白いとは、思うぞ？」
「そっか、じゃあ読むなー！」
少女が発言した瞬間、
柳生の説教は止まり、図書館全体の空気が
一気に下がった。
「＿＿＿＿＿＿へえ。」
幸村の声が、やけに低く
背筋が凍り付いた。
「…ねえ、俺も作ったんだけど読むよ？
「君はさ よほど地獄が 見たいんだね」
小野寺さん、じゃあ俺はここで失礼するよ。」
幸村は席を立つと、
嫌がる彼女の腕を引いて、図書室から出て行った
「ねえ、あの子、大丈夫？」
レギュラー陣に質問すると
皆、顔を俯けてしまった。
「＿＿＿嗜みに 始めてみたら やや好評、だな。」
「や、そうじゃなくて。」
「多分…いえ、あのお方は、
決して良い目には合わないことでしょう。
幸村くんの目は、本気、でしたし。」
実戦形式で。という意味で始めたことだったが、
まさかこんな結果になるとは、
誰しも予想していなかっただろう
「柳生くん、実戦形式はダメだったね。」
「ええ、今度からは別の方法を考えてみましょう。」
結果：実戦形式は、失敗
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作者ホームページ：なし 作成日時：2015年10月25日 21時
