酒のせいにすれば【テニスの王子様】特定リク受付、概要は説明文で

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今宵、度数が先を決める - 2024年5月12日

金ピーチ様 request
Today's character…幸村精市
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

((私は強いから、1人でもいいと
苦しい息を喘いだら貴男が私にキスをした))



「なんなの、あの女」「ちょっと綺麗だからって」


幼いころから泣けなかった。
こんなくだらない嫉妬なんて、平気だもの。

心は抉られても侯爵令嬢として凛と前を向けと、お母様は言った。


我が国は財政難に陥っていた。
国の指導者が悪いはずなのに父君が責め立てられ失意のあまり亡くなられた。

こんな国のために、私は胸を張っているのだ。

苦しくとも、いつか報われるなんて

御伽話みたいね

バルコニーに出て一心に酒を煽った。


「あるはずもないのに…」

「…失礼、姫」

不意に後ろからハンカチとグラスが傾けられた。
振り返れば藍色の美男子。

この男、知らないわけがない。

東国の頭脳ともいわれる和服のオトコ。
煌びやかなドレスの海にはいささか浮いているように見えて、淡麗。

藍いドレスが守る腰を優しく抱き寄せ、男は言った。

「俺の伴侶となっては、くれないかな」

「…貴男様は今宵いくつの華を手折られたのかしら」

私のような枯れ花までを折ろうとなさるのかしら。
いつまでも抗うな、そういうの？

手元では潤いあるカクテルが氷を溶かして言う。

仕方ないわ、今宵は大人しく手折られてあげましょう。


「今宵だけならよくってよ？」


コルセットって本当に怠い、開放感。
胸元を這う唇に指をひたとあてた。

「あっ…ん、…」

「キミを見たとき華が折れぬように咲いてるものかと…綺麗だ」

「っぁあ、ん、ぁつい…わ、」

「俺もだよ」

がり、とわずかな痛みが走る。
自分が自分じゃない。

甘えたい。

なんて愚かよ。

「甘えなくてもいいよ」

「ぇ…、ぃ、ぁあっ、ぃたっ…ゃ」

「思いっきり泣かせて、甘えてもらうから」

ぐじゅり、と腹の奥が疼いた気がした。
仕方ないじゃない。

絶頂に伸ばした足先がサイドテーブルのグラスを蹴った。
いかなる時も強くあれ、とお母様は言ったけれどもうグラスは割れてしまったわ。

オトコが差し出したエル・プレジデンテ。

快楽に滑り落ちたグラスから漏れだす液体がベッドに朱いシミを作った。


グラスが木っ端微塵に砕け散り、私の自尊心は甘く溶かされた＿＿＿＿


＿＿＿＿＿＿

Today's cocktail

エル・プレジデンテ「プライド」


ほんっとスイマセンンンン！
リク感謝です！

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