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最終話 計算済み ページ35

「え?そうだったの?」



「ええ、すいません小野寺さん。」




自己紹介を終えて、
ぎこちなく会話がスタートして15分。




「柳生くんが仁王くんに変装してたんだ…」



「仁王くんに頼まれましてね。
意味のわからないセリフを覚えさせられて
何かと思ったら、こういうことだったんですね。」




柳生は、呆れた表情を浮かべ
小野寺は「苦労人。」と笑った。




「おまんら二人、
随分と仲良さそうに会話しとるのう。」



「に、仁王くん!!」



柳生は席から立ち上がると
入口に寄りかかってニヤついている仁王に
何かを話し始めた。




「仲、いいんだね、二人共。」



「仲良くなんかはありませんよ…
ただ、ダブルスのパートナーなだけですよ。」




柳生はため息混じりにそう言った。
だがその後ろで、仁王は「エセ紳士じゃ」と
紙に書いたものをちらつかせていた。





「仲…いいんだね…?」



「なんで急に疑問系になるんですか?!
しかも、同じこと2回も言わなくても…」





小野寺が柳生の後ろに視線を送ると
やはり仁王は、紙に何かを書いて見せてくる。




どうやら彼、仁王くんは
柳生くんをいじりたいご様子。






「柳生くん、後ろ。」



「ああっ!仁王くん!
何でたらめなこと書いているんですか!
私はそんな人間ではありませんからね?!」





仁王くんが書いた紙には
「ムッツリ」とか「半ジェントルマン」とか。





「柳生くんの周りは賑やかそうだね、
仁王くんがうるさくしているみたいだし。」



「仁王くん!
ようがないのなら出てってください!」




柳生は仁王の背中を押して
図書室から追い出した。




「追い出したんだ、そんな事しな」



「なんで副部長怒ってんすか!!」



「ええい赤也!貴様、この間のテスト
ギリギリだったらしいな!!」




私の言葉を遮って入ってきたのは、
真田くんと、幸村くんもいる…




「済まないが、俺たち暇からここで勉強会をする。
うるさくならない程度に、だ。」



「___あ、はい、どうぞ。」





小野寺と柳生は顔を見合わせ、
苦笑いを浮かべる。





どうやら、
この先、図書室で話すことは
そう簡単ではなくなりそうだ。







「日記も、もういらない、かな?」





開いていた日記を、
静かにとじた。

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作者ホームページ:なし  作成日時:2015年10月25日 21時

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