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第2話 司書室 ページ4

「よろしくね、小野寺さん。」


「…」



優雅に微笑む隣の人
彼の名は、幸村精市

本日の席替えで、
私の隣の席になってしまった



軽く溜息をついて
ふと、視線を上げると、
数人の女子から視線が




私だって好きでこの人の隣じゃないのに…
本当に、くじ運ないな…






向けられる視線にうんざりとし、
机に顔を伏せた。






嗚呼、早く帰りたい。


















「じゃあ、今日もお願いね?」


「はい。」




放課後、
図書室に向かった私は
先生にいつもの様に仕事を任された。



図書委員は、私ぐらいしか活動はしていない
要するに、皆サボりというわけだ。




「あ、そうそう。」


先生は、一度司書室に入ると
本を1冊私に差し出してきた。



「あ、これって…」


「小野寺さん読みたがっていたでしょ?
この間借りられていたから、
念のために司書室に置いておいたのよ。」


「ありがとうございます。」


「いいえ。」




先生は、それじゃあ。と図書室を出て行った。
私は渡された本を持ち、奥の椅子に腰掛ける。









私はそこで、カバンから1冊のノートを取り出し、
ペンを走らせる。



このノートに書く事は、
だいたい今日1日、何をしたかという
活動日記…又は1言日記だ。




これを始めたのは一昨年の1年生の時
暇つぶしに、と思い始めたのだが
案外楽しく感じて長続きしている。




「あ…仕事しなきゃ。」



私は頼まれていた仕事を始めた。






「…あ、あと1冊っ…!」




速やかに仕事を終えたくて
早足で本を片付けていた

しかし、
最後の1冊が身長的にどうしても難しくて
苦戦していた。








その時、だった






扉が開いて
誰かが入ってきた。






私は慌てて席へと戻り
荷物を持って出口へと向かう。


幸い、入ってきた人は
全く別の方に視線が向いていたため、
図書室からバレることなくでることができた。








「……あれ?」




図書室を出て行ってから思う。




「なんで私…隠れてるんだろ。」




それはきっと、性格の問題。

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作者ホームページ:なし  作成日時:2015年10月25日 21時

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