第21話 突き放された物 ページ23
彼からの返事がこなくなり
私は日記を放り投げた
彼に対しての信頼と
日記をしたという事実を。
やり投げなんて、らしく無い。
彼は多分、用事があって書かなかったと
何度も思った。
だけど、ダメだった。
私は心が弱すぎた、
人の都合で書けないなど、
現実として受けた取れなかったのだ。
「あーあ、最悪。」
私って本当に最悪。
人の返事にOKを出しておいて止めるなんて
もしかしたら彼は、
続きを書いてくれたかもしれない。
だけど私には、
そんな現実、どうでもよくなっていたのだった
だから、ただ時間が過ぎるのを待っていた
「卒業」という日を
誰よりも早くから待ち望んでいた。
正確に言えば、
「彼とのやり取りを消したくて、
新しい環境に移りたい。」
それが、第一の理由だった。
-
「_______のさん、小野寺さん。」
振り向くと、
優しい笑みを浮かべる幸村くん。
胸元には、同じように花を咲かせ
手には黒色の包。
「……どうしたの?」
私が今いるのは、図書室。
もう今日で、こことはお別れになるから
私は挨拶をしに来たのだ。
「クラスでの集合写真、これで最後だからって
俺がわざわざ、呼びに来てあげたんだよ?
「俺が」が、かなり強調されて聞こえたのは
私の気のせい、かな。
私は本が大量に入ったカゴを持ち
片付けを始めた。
「小野寺さん、俺の話聞いてた?」
「聞いてたよ、集合写真でしょ?
私がいなかったとでも言えば良いんじゃない?」
恐らく私を探している本命は
担任の先生だろう、まためんどくさいことを。
「幸村くん、先生に言われたからって
私のこと探しに来なくていいよ、
ほら、戻っ___________」
振り返れば、
そこには幸村くんはいなかった。
「……自由な人。」
まさかいつの間にか
図書室から出てってるなんて。
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作者ホームページ:なし 作成日時:2015年10月25日 21時