第19話 休みのノート ページ21
月日は過ぎて、1月_______
「お、幸村、試合、お疲れ様な。」
「はい。」
今は席替えをして
幸村くんは、私と席が離れた。
幸村くんは
ここ最近学校に来ていなかった
その理由が「テニスの大会」だということを
先生の話で、いま知った
ノートとか、
写すの大変だろうな、などと
軽く考えながら、本を読み始めた。
-
「あ、小野寺さん。」
HRが終わり、
私は帰ろうとしていた足を止めて、
後ろを振り返る。
「なに?」という表情で
彼を見上げると、
「傷つくなあ」と、溜息を零された。
「あ、要件はね、ノートを見せて欲しいんだ。」
眉間に皺を寄せ、首を振る。
そんなことめんどくさいし
第一に、貸して何になる?
私はめんどくさいことは嫌いだ。
だから、幸村くんとは関わりたくない。
ドアの入口で
暫し無言のままでいると、
ヒソヒソ声が、後ろから聞こえてきた。
ほかのクラスの女子たちが集まって
私と幸村くんを見てひそひそ話を始めたのだ。
非常に面倒くさい、
「勝手な噂」というやつだ。
「○○と○○って、できてるらしいよ?」
「えー本当に?
でもさ、なんで○○ちゃん?」
「あれじゃないの?
弱み握って付き合っているだけだよ!」
基本的に、
女子の会話といったらこんなものだろうか。
お互い好き同士の男女が
付き合って何が悪い。
男は、又は女はお前のなんだ?
恋人か?婚約者か?
それでもないくせに、
何を偉そうに「付き合わないでよ!」
などと言えるものだ。
「小野寺さん、顔に出てるよ。」
クスリと笑う幸村の声で
ひよりは我に返る。
「…ノート、ダメなら別に良いんだ。
わざわざこんなところで聞いて、
悪かったね。」
「じゃあ」と言って
幸村は他のクラスメイトに、話を振る。
残されたひよりは
深く、溜息をつくと、
ひそひそ話のうるさい女子たちの間をすり抜け
下駄箱へと向かった。
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作者ホームページ:なし 作成日時:2015年10月25日 21時