第18話 白紙の返事 ページ20
言葉の綴られない日記は、
ただの紙切れだ_____
彼との交換日記の最終日を見る
日付は変わらないまま、次の書き手は、彼
毎日毎日、
放課後図書室に足を運び、
日記を確認するが、彼からの返事はない。
毎日日記を開き、
真っ白なページを見るたびに、
虚しさが広がった。
「冷たい対応、
したからかな……」
個人的に、
ポエムに関しては、何も言わない方が良いと思った
だから、「趣味に対して私は問いませんので」と書いた
「気を、悪くしたのかな…」
パタン、と、日記を閉じた。
本棚に、日記を置くと、私は静かに図書室から出て行った。
言葉を直接交わすことはなくても、
あの
そして、彼に甘えていたのだ。
だから今、
一人になった。
また一人で、
本を読み、心を満たすものを探すだけ。
教室の時計を棒と眺め、
カチカチッ、と、針の過ぎる音を聞きながら
そっと、瞼を閉じた。
-
「柳生、柳生!」
「…なんですか、仁王くん。」
「お前、ぼーっとしすぎじゃ。
俺が何回呼んだと思っとる。」
「さあ」と首を傾げると、
溜息をつき、呆れた表情をする。
「のう柳生…
お前、もしかして相手に
合宿のこと、伝えなかったじゃろ?」
「え、」
「ははっ、図星か。
それで今、相手が返事を返さないお前に
何を感じているのか気になる。違うか?」
仁王に心中を当てられて
柳生は苦い顔をして、
「人の心まで読まないでください、
あなたには、関係のないことでしょう?」
完全に、八つ当たり。
だが仁王はそんなこと気にもせず、
「ならそんなしけた面、
しないほうがいいと思うがのう。」
仁王はラケットを持ち、
「じゃあな」と言ってテニスコートから出て行った。
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作者ホームページ:なし 作成日時:2015年10月25日 21時