Diary【柳生比呂士】 (ページ13)

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第１１話　夢の中でページ13

「○月×日
天気快晴

今日は昼休み、中庭で野良猫を見つけました。
紳士さんは、中庭によく行きますか？

もし用事があるのでしたら
見に行ってあげて下さい。」

「野良猫？」

「ええ、そうです。
仁王くんは猫に餌をあげていましたよね？」

仁王は少し考えてから、ちょっと待て。と
ほかのクラスに入っていった。

「どうした柳生、こんなところで。」

「ああ、柳くん。
いやー、実はちょっとした話が」

「柳生、犯人はコイツじゃ。」

コイツ、と言って引っ張ってきたのは
マネージャの駿河だった。

駿河は頭にハテナを浮かべ、
話が掴めていない様子

「駿河、お前中庭の」

「あー、猫？
可愛くってね、先生に許可はとってあるよ？」

問題、解決しました。

「○月×日
天気曇り

今日は学園祭の準備で忙しいですね。
そちらのクラスは、はかどっていますか？」

「準備は全て整いました。
あとは、時間が来るのを待つだけになりますね。

ノラさんのクラスははかどっていますか？」

「私のクラスは、そこそこです。
準備もですが、クラスの行動にムラがあります。

紳士さんのクラスは順調というとこで、
頑張ってください。
私も、できるだけ頑張ります。」

「ふう…」

私は日記を閉じた。
かったるくなった腕を伸ばし、深呼吸。

日記を本棚に戻し、
一休み、と、目を閉じた。

再び目を開けた時、
変な浮遊感を私は感じた

椅子から立ち上がり、
本棚へと向かうと

「…誰？」

声をかけると、
その人はゆっくりと振り返る

「えっと」

その人は、
私に手を差し出してきた

私は戸惑い、首を振ると
手を引っ込め、先ほどしまった日記帳を
私の目の前に差し出してきた

「え、これ、あの…」

待って。と手を伸ばす

「＿＿＿＿＿あれ？」

目が覚めてしまった。
私は右手を天井に伸ばしていた

「…変な夢、だったな。」

目を擦り、あくびを一つ

窓を見れば、
先程よりも、強いオレンジ色が
図書室に差し込んでいた。