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「由井さん大丈夫?」
『え?』
晩御飯を食べたあと、唐突に伏見さんにそう言われた。
ちなみに、今日は帰りが遅くなって1人で晩御飯を食べたから…リビングには私と伏見さんしかいない。
「…なんか、最近無理してるように見えるから。」
『え…そうですか?』
無理してそう、そう言われてドキリとする。
なぜなら、無理をしているのは本当だから。
けど、それはもっと前から。今に始まったことじゃないのだ。
なのに、このタイミングで伏見さんに突っ込まれた。
…私の隠し方が下手になってるんだ。
『…いつも通りですよ?』
「はは、それは本当か?…俺にまで嘘つかなくてもいいんだぞ?」
そう言って伏見さんは、エプロンをイスにかけた。
それから、私の方へ寄ってくる。
『伏見さん…?っえ、』
「よっ…と。…ほら、こんなに軽い。」
突然、ふわりと浮かんだ身体。
高くなった目線。
暖かい厚い胸板。
…所謂、お姫様抱っこを伏見さんにされてしまった。
『ふ、伏見さん?!』
「あー、こらこら暴れるなって。」
がっちりとした、逞しい腕が私を抱く。
…お兄ちゃんとも、天馬くんとも、茅ヶ崎さんとも違うかんじ。
俳優さんでも、こんなにしっかりした筋肉は感じたことがない。
…男の人って感じがする。
伏見さんは、そのままソファに座って私を膝に乗せた。
そして、その逞しい腕で私を包んだ。
『…伏見さん、あったかいです。』
「…それはよかった。
由井さんってさ、いつもいろんな奴を甘やかしてくれてるだろ?咲也とか、太一とか…幸や椋もかな。
だから、由井さんは誰かに甘やかしてもらえてるのかなってずっと思ってた。」
『え…』
大きな手で、頭を撫でられる。
…すごく安心するのに、すごくどきどきする。
伏見さんは、すごく優しい目を私に向けてくれた。
「やっぱり立場上、難しいとは思うよ。
…けどな?ちゃんと甘えとかないと、しんどいだろ?」
頭を撫でていた手が顔に降りてきて、頰に当てられる。
優しく撫でられ、伏見さんの方をむかされた。
「…たしかに、由井さんからしたらここには問答無用で頼れるって感じの人は少ないかもしれない。
だから、しんどくなったら俺のところにおいで。
そしたら、こうやって抱きしめて、頭を撫でてやるから。」
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夢花(仮垢) - #56の天馬の発言にて誤字発生…作者さん勢いで書いたか眠い時に書いたやろ(ジトー)無理とかしないでくださいよ!? (2018年11月8日 21時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - あ、因みに#55の「無理してる感じは凄くしてるけどね」と有りますが、恐らく「してる感じはあるけどね」かと。見直しお願いします(このコメは消してもらって構いません) (2018年11月8日 21時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - #55のとこ…天才じゃい…w紬さん…w((殴 誤字ありました。面白いです← そしてそーちゃん!!!!何!?作者さん神!?もっと早めに知ってれば候補キャラ言えたのに!!wそしてコメで見えたんすけど、他キャラ名も…よし、今から見てきます (2018年11月8日 21時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
碧依 - めっちゃ面白いです!お兄ちゃんってスタマイの由井孝太郎ですよね!?アイナナやBプロやあんスタなどのキャラが出てきて面白いです! (2017年11月19日 23時) (レス) id: 5361a6093c (このIDを非表示/違反報告)
アオツキ*(プロフ) - ちょいちょい地味にアイナナ、Bプロ、あんスタのキャラを入れてきてすごく楽しいです!更新頑張って下さい! (2017年11月19日 22時) (レス) id: e61c22ef84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青 | 作成日時:2017年10月12日 20時