154:ギャルと廻戦 ページ4
「私にあの呪霊の術式は効かない、悠仁にも。だけど、悠仁と違って私は奴に直接攻撃をする事は出来ない…」
いや、直接攻撃の手段はある。
Aが、憑いている呪霊を完全に認識し、魂同士をリンクさせればいい話。
しかし、その場合Aの自我は恐らく喰われてなくなるだろう。
「悠仁、あの呪霊は七海の攻撃も効かないんだ」
「え!?なんで!?」
悠仁はあからさまに驚く。
「私の攻撃も、効かない」
悠仁は不安そうな顔を浮かべた。
勿論、Aは彼の表情を察し明るい顔で「でも、ダイジョーブ!」と付け足してやる。
「悠仁の攻撃は効くんだよね。…サポートしたげる」
Aは片足を引いた。
目の前の呪霊、真人は完全に体を元通りに再生し終わっている。
「Aさん、頭は回りますか?」
「勿論」
「動けますか?」
「誰だと思ってんの」
Aは鼻で笑う。
悠仁、七海、Aは臨戦体勢を取った。
「私と七海が隙を作る。悠仁は、その隙を縫え。…七海、アイツは多分私を殺せない」
七海はAへ顔を向けた。
「何か理由がある。殺すなら、最初に会った時アイツは私を殺しているはずだよ。……だけど、生かされている」
Aは指を順番にパキパキと鳴らした。
「私が攻める」
一瞬、七海の中に戸惑いが生まれたが四の五の言っていられない
七海は鉈を振るった。
分かりました、七海が低く呟く。
「ここで確実に祓います」
同時、両者共に駆けた。
可借夜Aを本気にしようと思ったら、やっぱり起爆剤が必要かぁ
空中で無数の棘を突き立てた真人は、中心核の中でため息をついた。
地上では、三人の呪術師が力任せに棘を叩き折る。
冷静さを失えば、こっちに堕ちると思ったんだけど…
現実は甘くないね
真人は、中心核から外の様子を伺おうと顔を出した。
やっぱり、順平が変わる瞬間を見せてやれば良かったな
棘は好き放題に彼らに折られている様子だ。
強度も弱い。彼らを殺すには向いていないと判断した真人は、体を徐々に戻し始めた。
その瞬間を彼らが見逃すはずもなく、七海は鉈を悠仁は拳をAを蹴りを真人に喰らわせた。
しかし、逆に真人が大人しく喰らってくれる訳でもない。
体を小さくし攻撃を避け、巻き上がった土埃の中から飛び出した。
天敵だなぁ、虎杖悠仁
真人は三人の姿を視認する。
そして、口の中からストックしていた改造人間を吐き出した。
「短髪のガキを殺せ」
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鼻毛太郎(プロフ) - 華花。さん» コメント有難うございます!これでいいのか...?と悩む時期が続いていた中、温かいコメントを頂けて本当に泣くほど感謝してます;;現在5章目を製作中なので、しばしお待ちを…!今後もギャルと呪術を宜しくお願い致します! (2021年4月21日 11時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
華花。(プロフ) - いつも緊張して送れませんでしたが初コメント失礼します!もう作者様は言葉選びから構成まで最高すぎます…素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます! (2021年4月20日 23時) (レス) id: 2bd2296ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年3月1日 0時