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324:良薬は心臓に悪し ページ26

彼の言葉に、Aは眉を潜めてみせる。

「凄く複雑で嫌な気分だわ…」

「おや、嫉妬かい?可愛いなぁ、君は♡」

くく、と喉奥で笑うヒソカに、Aは全てを理解すると咄嗟に赤くなり「違うわ!!」と吐き捨てた。

「弟とゴン君が妙な目で見られてる事についてよ!貴方の趣味は大目に見てあげるけど、本格的に手出したら絞め殺すわよ」

「いいねぇ、ボクこうやって趣味に寛容な彼女なら欲しかったんだよね♧」

「都合のいい部分だけ聴こえる耳なんとかしろ!?」

彼女欲しかったとか思ってもないくせに。
Aはため息混じりに述べると、ヒソカは横に立つAを見上げながら「まぁ、嘘と言えば嘘だけど、」と言葉を続けた。


「実際、欲しいのは“彼女”じゃなくて“君”だからね♤」


中々、手に入らなくてこれがまた難しいんだ♢
なんて続けるヒソカに、Aはまた顔を赤くした。
先ほどとはちょっと違う。羞恥と言われると、それもどこか違う。


コイツよく本人の前で恥ずかしげもなく…
………そんなに、私のこと本気なのか


その答えに辿り着くと、途端に羞恥がふつふつと湧き上がってきた。


「A?」


突然呼ばれ、Aは反射的にヒソカと顔を合わせた。
座ったままこちらを見上げるヒソカ。
見下ろすA。
そこには誰も居なくて、闘技場とは思えない程静かで。
あまりにも静かだから、心臓の音が聞こえてしまうのでは無いかとさえ思ってしまう。

Aは、数秒遅れて顔を逸らした。


「お、風呂…入ってくる……1時間ぐらいで戻るから、そ、それじゃ」


ぎこちなく片手を上げて、その場から去っていくA。
去ったかと思えば、途中道を間違えたらしく戻ってきて、またつかつかと早足で去っていった。

片手でトランプを構えたまま、ヒソカはAの後ろ姿を眺める。
廊下角へ曲がり消えていくA。

ヒソカは、少し笑って肩を竦めた。



「ちょっと効きすぎたかな♢」









一刻も早くお風呂に入りたい。
いや、お風呂というか冷水を上から豪快に被りたい気分だ。


Aは早足に廊下を歩き、そして今部屋の前に来ていた。
正しくいえば、部屋の前に来たは良いものの何故か鍵が開かず苦戦しているところだった。

「ちょ、え、なんで…!?」

ガチャガチャと一心不乱に鍵を差し込んでは捻りを何度も繰り返す。しかし、扉は一向に開かない。

まだ先程の事で胸中に焦りがある。


「もう、こんな時に…っ!」

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鼻毛太郎(プロフ) - アネモネさん» ありがとうございます!とっても嬉しい限りです…;;夢主好きになってくれるなんて、めちゃくちゃ嬉しい…律儀というか天邪鬼というか健気というか純粋というか、そんな夢主ですが今後も宜しくお願い致します…!! (2021年7月25日 10時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - 面白すぎて、一気にここまで読んでしまいました………。今まで読んできた夢主ちゃんの中でトップレベルで好きです…!!ヒソカとの絡みで素直になれないところとか本当に可愛すぎます……!!作者様のペースで、これからも更新頑張ってください! (2021年7月24日 18時) (レス) id: 3b50ba95a6 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ☆さん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいお言葉頂けてモチベ上がります;;ヒソカもお姉さんもこれからまた関係が動いていったり、第三者が介入してきたり今後色んな事が起こりますが、是非今後も楽しんでくださるとありがたいです!お楽しみに!! (2021年7月9日 22時) (レス) id: 16ef441d86 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続編おめでとうございます。物語の構成があまりにも面白くて、大好きな作品です。ヒソカの性格も私の思い描いている通りで、また、彼と絡む夢主ちゃんの強さや弱さがとても大好きです。これからも無理なさらずに頑張ってください! (2021年7月9日 20時) (レス) id: 56780b611d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年7月9日 1時

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