243：そんな顔も出来るのか ページ45
「なん、だ…これ…」
地に片膝をつきながらゴンは森を見回す。
草木がざわつき、異様な空気がそこら一帯を埋める。
背筋にゾクゾクと悪寒が走る。
なんなんだこの空気。凄く怖い。
そよ風がゴンの鼻を掠めた。
同時、ゴンは「うッ」と顔を顰める。
手で鼻を摘みたかったが、筋肉が緩んで動かない。
濃い血の匂い。
ただ怪我をしただけなんて、そんな生易しい匂いじゃない。
体の奥深くの匂いだ。
「気持ち悪い…」
空気も、匂いも。
ヒソカが纏う空気ほど禍々しくはない。
それよりももっと別の、得体の知れなさがある。
ふと、ヒソカに目を向けると彼は森の奥深くをじっと見つめていた。
鼻先を少しだけ鳴らし、空気の匂いを嗅ぐ。
そして、口元を少しだけ釣り上げた。
「これは、マズいのことになったな♢」
ヒソカは一言呟くと、途端に興味の矛先を変えたのか森の中に消えて行ってしまった。
ゴンは察する。
ヒソカは、この得体の知れない何かのところに行ったのだと。
彼女の居場所はすぐに分かった。
濃い血の匂いの中に、Aの匂いが混じっている。
彼女の血の匂いではない。
覚えている訳では無いが、確実に違う。
しかし、確実に言える事もある。
この匂いの犯人は、Aだ。
そして今、彼女を見つけた。
森の中。
少し開けた場所に突如として現れる、凄惨な光景。
ヒソカに背を向け突っ立っているA。
彼女の手をよく見ると、血液が滴り落ちてきている。
彼女の足元には人。
いいや、かろうじて人の姿を保っているだろうか。
臓物を引きずり出され、体の部位を痛めつけられ。
こんなの普段のAならば絶対にしない。
遊んだか
違うな。抑えられないのか
イルミの言葉を思い出す。
『俺たちはどこまで行っても“殺しの衝動”は抑えられない』
そうか。
君もそうなるのか。
一歩足を進めると、草同士が擦れ合う音が微かに鳴る。
その音に反応してか、Aは漸く振り向きヒソカの姿を瞳で捉えた。
こちらを見ているが、瞳の焦点が絶妙に合っていない。
危ない薬でも吸い込んだ後のような、とにかく正気ではないというのは容易に読み取れる。
顔半分は血液でべっとりと汚れていた。
Aはヒソカを見て、ゆっくりと時間をかけ口角を持ち上げる。
美しくおぞましい笑みはヒソカの鎮めたばかりの殺意を存分に揺すった。
どく、と心臓が跳ね上がり、昇る高揚感に頬を上気させる。
収まったばかりの下腹部が固くなっていく。
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鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» し、した…！！！って感じですよね…！絶対無茶苦茶な会話してますよ…おわーーテスト頑張ってください；；テスト明けいっぱい楽しめるよう、沢山お話作っておくので…！いつも応援されている身なので、今回ばかりは私が応援を！頑張って！！ (2021年5月28日 19時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト - きゃーーーー(/ω＼)ｷｬｰ〜ついに、ついに、キッッッッッッッッスですか。確かに、早く旅団との絡みもみたい(*´-`)クロロと4人での会話なんて、めちゃくちゃテンション上がりますo(*≧∀≦)ﾉただ、テスト期間なのでこれからコメントするのが、少なくなりそうです(..) (2021年5月28日 16時) (レス) id: 6f62e33b14 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» そうなんですよね…！意外と真面目な戦闘シーンって無くて、今後もちょくちょく出てきます…！たまには2人とも動ける人なんだから、目一杯動いてもらいたくて！ (2021年5月26日 23時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト - ヤバイ、かっこいいぃぃぃぃ＼(^-^)／ヒソカとの真面目な戦闘シーンって、今までなかったからすごく興奮しました(*´-`)『その時…』って何があったのぉぉぉ (2021年5月26日 19時) (レス) id: 6f62e33b14 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 絶対2人に「それは無理がある」って言われるけど、「は？」って言って黙らすんだろうなと書きながら思いましたね笑数話殺伐とした内容が始まりますが、殺人鬼と暗殺者の真骨頂だと思うのでお楽しみに…！！！ (2021年5月24日 22時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年4月14日 1時
