238:正真正銘の姿 ページ40
ぐっと身長が伸びて、体に緩やかなカーブが生まれる。
しなやかな手足、胸下まで伸びる髪。
瞑っていた瞳を開けば、ヒソカの髪色のような青い瞳が覗く。
何よりも、ゴンは彼女の顔を見て驚いた。
キルアにそっくりだ…
「君こそ、そっちの姿の方が落ち着くね♤」
「両方気に入ってるんだけどな…」
先ほどの長髪の男が言った事と同じことを言っている。
「元の姿に戻ると、コート閉めてるのキツいのよね」
閉じられていたコートのボタンを外しながら呟く。
すかさずヒソカが「あー、膨らむからね。胸が」と返す。
ウサギ__もとい、銀髪の女の瞳がヒソカを睨みつけた。
「ヒソカ。姉さんに妙な事してみろ。殺す」
銀髪の女がヒソカへ制裁を与える前に、土の中から声が聞こえた。
ヒソカと女は足元の土を眺め、声を聞き終えると顔を合わせる。
「だそうです」
「物騒だね、やめとこ♧」
わざとらしく両手をあげるヒソカ。
不思議な出来事に、不思議な会話。
思わぬ出来事に遭遇してしまったとゴンは思う。
「ちょっと避けて」
「座るの?ボクの膝に座るのは?」
「貴方も土に埋まる?今なら、私が五発ほどぶん殴ってから埋めるっていうオプションつけてあげるけど」
「それ土葬するつもりだろ♢」
冗談だよ、ヒソカは付け足しながら切り株を半分ほど空ける。
その半分に、銀髪の女が座った。
女が足を組み、暫く沈黙がやってくる。
沈黙を割ったのは女が先だった。
「結構深いのね、その傷」
「なんの話だい?」
ヒソカは涼しい顔でシラを切ったが、女にはお見通しの様子だった。
彼を見ることなく、細い指でヒソカの肩付近を指さした。
「好血蝶」
その一言に、ヒソカは諦めたと涼しい顔を崩した。
「なんだ、君分かってたのか♧軽い傷のふりしてたんだけどな…♢」
君に隠し事は難しいようだね、ヒソカが言うと女は「当たり前」と返した。
そう言った彼女の顔はどこか柔らかい。
というか、なんだか楽しげだ。
それを察してか、ヒソカは一呼吸置くと「A、」と彼女の名を呼んだ。
「君、今機嫌良いだろ?」
「そう?」
「うん、そう見える♤…ウズウズしてるって感じかな。自分相手に尾行を仕掛けるなんて、とんだ馬鹿もいたもんだって♧」
にこりとヒソカは笑って言う。
女__Aは、そんなヒソカを横目で見ると数秒前のヒソカのように諦めたと表情を崩した。
「はぁーー、貴方に隠し事って無理ね」
「ボク達分かりあってるねぇ♡」
「うざい」
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鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» し、した…!!!って感じですよね…!絶対無茶苦茶な会話してますよ…おわーーテスト頑張ってください;;テスト明けいっぱい楽しめるよう、沢山お話作っておくので…!いつも応援されている身なので、今回ばかりは私が応援を!頑張って!! (2021年5月28日 19時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト - きゃーーーー(/ω\)キャー〜ついに、ついに、キッッッッッッッッスですか。確かに、早く旅団との絡みもみたい(*´-`)クロロと4人での会話なんて、めちゃくちゃテンション上がりますo(*≧∀≦)ノただ、テスト期間なのでこれからコメントするのが、少なくなりそうです(..) (2021年5月28日 16時) (レス) id: 6f62e33b14 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» そうなんですよね…!意外と真面目な戦闘シーンって無くて、今後もちょくちょく出てきます…!たまには2人とも動ける人なんだから、目一杯動いてもらいたくて! (2021年5月26日 23時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト - ヤバイ、かっこいいぃぃぃぃ\(^-^)/ヒソカとの真面目な戦闘シーンって、今までなかったからすごく興奮しました(*´-`)『その時…』って何があったのぉぉぉ (2021年5月26日 19時) (レス) id: 6f62e33b14 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 絶対2人に「それは無理がある」って言われるけど、「は?」って言って黙らすんだろうなと書きながら思いましたね笑数話殺伐とした内容が始まりますが、殺人鬼と暗殺者の真骨頂だと思うのでお楽しみに…!!! (2021年5月24日 22時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年4月14日 1時