219:鳥の声 ページ21
連れてこられたのは、船の最上階。
ゴンが扉を蹴破り、入った部屋はとても広かった
広いから、より埃だらけで何も無い部屋が一層広く見える。
興味がウサギから逸れたゴンとキルアは、彼女を漸く腕から解放する。
無理、疲れた、しんどい。
私既に無茶してます、助けてヒソカ君
今だよ、助けるなら。
と念じているのに、肝心な時に奴は来ない。
なに、私が無茶してないってこと??
プラカードに腕を乗せ休憩していると、「見てこれ!」とゴンが声を上げた。
キルアが受け取りページを捲る。
Aも後ろから覗き込んだ。
なんと、それはこの船の古い航海日誌だったのだ。
「『やったねゴン君!お手柄だよ!!』」
ウサギは上機嫌にプラカードをクルクルと回した。
____。
操縦室に戻り、クラピカとハンゾーに航海日誌を見せると、ゼビル島は小型ボートでも1日あれば着くことが分かった。
384番__ゲレタが思った2日よりもうんと短い。
なんだ、拍子抜けしちゃった
Aは肩を竦めた。
クラピカ達が輪になり話す中、ゴンがウサギの服の裾をちょいちょいと引いた。
「ウサちゃん、あのさ…俺ずっと何か音が聞こえるんだ」
「『音?』」
ゴンはこくりと頷く。
「それが何かってのは俺もまだ分かんないんだけど、うーん…ウサちゃんは、ほら、耳が良いみたいだから」
耳が良い。
一瞬、そんな話したっけと思ったが、ゴンがトリックタワーで隠し扉を見つけた事を言っているのに気づき、あぁそれかと納得した。
「『うん、ウサギさんだからネ〜!けど、ゴメンネ…何も聞こえないみたい』」
しくしくと泣きべそを書く顔文字を付け加えプラカードを見せると、ゴンは「やっぱり勘違いかなぁ」と難しそうに眉を寄せた。
「『でもアレだね、』」
「?」
「『気圧が下がってきてる。これは一雨降るかもネ』」
やっぱり?とゴンが尋ね返したその時、操縦室にポックルの声が鳴り響いた。
「通信機にノイズが混じり始めた。大気が不安定になってきている…!」
ゴンとウサギは顔を見合せた。
ついさっき言った言葉、間違いじゃない。
ゴンは急いで窓際に走る。
「鳥達が怖がってる」
「ゴン、お前鳥の言葉なんて分かんのか?」
訝しげに尋ねるキルアに、ゴンは「少しだけ」と返した。
普通なら少しも分からない、と返すとこだが確かに鳥達の動きは異様だった。
まるで何かに怯えているような、そんな騒ぎ方。
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鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» し、した…!!!って感じですよね…!絶対無茶苦茶な会話してますよ…おわーーテスト頑張ってください;;テスト明けいっぱい楽しめるよう、沢山お話作っておくので…!いつも応援されている身なので、今回ばかりは私が応援を!頑張って!! (2021年5月28日 19時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト - きゃーーーー(/ω\)キャー〜ついに、ついに、キッッッッッッッッスですか。確かに、早く旅団との絡みもみたい(*´-`)クロロと4人での会話なんて、めちゃくちゃテンション上がりますo(*≧∀≦)ノただ、テスト期間なのでこれからコメントするのが、少なくなりそうです(..) (2021年5月28日 16時) (レス) id: 6f62e33b14 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» そうなんですよね…!意外と真面目な戦闘シーンって無くて、今後もちょくちょく出てきます…!たまには2人とも動ける人なんだから、目一杯動いてもらいたくて! (2021年5月26日 23時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト - ヤバイ、かっこいいぃぃぃぃ\(^-^)/ヒソカとの真面目な戦闘シーンって、今までなかったからすごく興奮しました(*´-`)『その時…』って何があったのぉぉぉ (2021年5月26日 19時) (レス) id: 6f62e33b14 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 絶対2人に「それは無理がある」って言われるけど、「は?」って言って黙らすんだろうなと書きながら思いましたね笑数話殺伐とした内容が始まりますが、殺人鬼と暗殺者の真骨頂だと思うのでお楽しみに…!!! (2021年5月24日 22時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年4月14日 1時