216:残るか向かうか ページ18
「食料と水が尽きれば人間は間違いなく餓死をする。私は、夜を待って星と月を頼りに正確な方角などを測定した方がいいと思う」
クラピカはそうキッパリと言ったが、焦る試験者達が素直に「はいそーですか」と納得するはずがない。
「夜まで待てだと!?冗談じゃねぇ」
試験者の言葉に、クラピカは「もし試験では無かったらどうする?本格的に遭難という事になるぞ」と冷静に言った。
各意見を聞いていたAも、クラピカの言葉には同意だった。
ハンゾーもクラピカの意見に習う。
「甘いな。試験に決まってるだろうが」
突然言葉を挟んだ男。
プレート番号384番。
誰だったかなぁ
私、興味無い人覚えるの苦手なのよね…
Aは着ぐるみの中で眉を寄せる。
「皆を不安にさせるような事を言うのは辞めてもらおうか」
クラピカは強い口調で言ったが、384番の男の意見はどうやら根拠がある様子だ。
「タンクの水は殆ど残ってないぜ。干枯らびるのも時間の問題だ」
その言葉に場がざわつく。
「一日目は既に終わった。残された時間は二日。裏を返せば、ゼビル島は二日以内に行ける距離にあるってことだろ」
384番が言った途端、試験者達は目の色を変えた。
そうか、確かに!と納得したと同時、我先にと動き出す。
ハンゾーが「バラバラで動けば遭難するぞ!」と声をかけたが、たった一人の言葉で止まる輩ではない。
「皆を煽るな!遭難者が出たらどうする!?」
「そうすりゃ合格者が減るだろ」
384番の言葉に、クラピカは眉を釣り上げた。
けれど、彼が悪びれる様子は全くない。
突然、二人の間にウサギが割って入ったかと思えば、さっとプラカードを掲げた。
「『君の意見、落とし穴があることに気づいてないのか?』」
ウサギを小さな子供だと思っている384番は、その上からな言い方に「何?」と声を低くした。
「『“何も無ければ”二日で着く、でしょう?君の言う通り、これが試験なら“何も無い”は成立するかな?勿論、試験じゃなくともだけど』」
君の意見、ちょっと押し通すにはスカスカすぎるよ。
棘のある言い方だった。
けれど、ウサギの周りでそれを“言い過ぎだ”と咎める者は一人もいなかった。
ウサギの言う通りだ。
384番の言葉は、あまりにもハイリスクすぎる。
384番は一瞬狼狽えたが、意見を変える気はないようだった。
「俺は何としても生き延びる。他の奴がどうなろうとな」
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鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» し、した…!!!って感じですよね…!絶対無茶苦茶な会話してますよ…おわーーテスト頑張ってください;;テスト明けいっぱい楽しめるよう、沢山お話作っておくので…!いつも応援されている身なので、今回ばかりは私が応援を!頑張って!! (2021年5月28日 19時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト - きゃーーーー(/ω\)キャー〜ついに、ついに、キッッッッッッッッスですか。確かに、早く旅団との絡みもみたい(*´-`)クロロと4人での会話なんて、めちゃくちゃテンション上がりますo(*≧∀≦)ノただ、テスト期間なのでこれからコメントするのが、少なくなりそうです(..) (2021年5月28日 16時) (レス) id: 6f62e33b14 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» そうなんですよね…!意外と真面目な戦闘シーンって無くて、今後もちょくちょく出てきます…!たまには2人とも動ける人なんだから、目一杯動いてもらいたくて! (2021年5月26日 23時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト - ヤバイ、かっこいいぃぃぃぃ\(^-^)/ヒソカとの真面目な戦闘シーンって、今までなかったからすごく興奮しました(*´-`)『その時…』って何があったのぉぉぉ (2021年5月26日 19時) (レス) id: 6f62e33b14 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 絶対2人に「それは無理がある」って言われるけど、「は?」って言って黙らすんだろうなと書きながら思いましたね笑数話殺伐とした内容が始まりますが、殺人鬼と暗殺者の真骨頂だと思うのでお楽しみに…!!! (2021年5月24日 22時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年4月14日 1時