496：ギャルと23時14分 ページ46
23時14分。
道玄坂109前に戻ってくる宿儺。
勿論、脇にはAを抱えているのだが。
「うげッ」
「さてと、」
宿儺は呟いて、Aをその辺にぼとりと落とす。
本当にこの男は、扱いが丁寧なのか雑なのか意味不明だ。
行くあてでもあるのか、はたまた適当に練り歩いているだけなのか。
Aは地面に座り込み、そんな宿儺の後ろ姿を不思議に眺めていた。
「小僧、」
宿儺の呟きが聞こえて、Aはハッとする。
「せいぜい噛み締めろ」
その言葉が合図だった。
あぁ、適当に練り歩いていた訳じゃないんだ。
行くあてがあった訳でもないんだ。
ぴたと、宿儺＿＿＿＿いや、虎杖がそこで佇んでいた。
宿儺が、彼に置いていった土産。
最悪の土産。
彼に見せてやりたかった土産。
闇の空の下に、開けた大地。
そこには、ほんの数分前まで数多の高層ビル達が並んでいた。
その中には、何百いやもっとかもしれないほどに人が居たのだ。
その人々は、今は誰一人としていない。
虫の一匹すら、いない。
それを行ったのは＿＿＿＿＿＿＿＿、
程なくして、虎杖は崩れ落ち、喉が裂けんばかりの声と嗚咽とそして吐瀉物を地にぶちまけた。
己をこれでもかと攻める虎杖。
宿儺の体で起こった事柄を、彼は全て覚えていた。
彼が体を使用している間、何が起こったのか。
何をしたのか。
そこには、想像絶する邪智暴虐の限りがつくされていた。
「＿＿＿＿分、だけ…ッ！自分だけ…ッ！！」
悲痛な虎杖の叫び声が静かな地に響き渡る。
己を呪う声。
どんな自傷行為よりも、酷くて痛々しい彼の言葉。
虎杖は自分を呪わずにはいられなかった。
どうして皆は死んで、自分は生きてるのか。
自分が生きてるんだから、人が死ぬんだ。
自分が居なければ、誰も死なないんだ。
誰も傷つかない。
自分が居なければ。
自分が死ねば。
死ねよ。
死ねって。
死ね。
「死、」
虎杖の体に人の温かさが訪れる。
見知った匂い。
香水の香りと、その人が最初から持つ匂いと、それと今は血と泥の匂いもしていた。
きつく抱きしめられていた。
強く、強く、抱きしめられていた。
自身の頭に頬を添えて抱きしめる姿は、まるで全てのことから護ってやるような仕草だった。
あぁ、あぁ、あぁ。
この人も、それを目の当たりにしていたんだ。
もっともっと、凄惨な地獄を見てきたんだ。
大切な人を失っているんだ。
なのに、どうしてこんな。
「行こう」
Aが告げた。
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プルメリア - ありがとうございます！頑張りますね！ (2023年1月9日 7時) (
レス) @page5 id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - プルメリアさん» 出来てますよ…！多分、宿儺のやつですかね…？まだ中身を確認していないので、あれですが投稿自体は出来てますよ…！ (2023年1月8日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - えっと、あの、忙しかったらいいです！ただ、きちんと投稿できているかだけ...お願いします... (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 私、試しに投稿してみたんですが...きちんと投稿できているか心配でして。少し確認してくれませんか？ (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 本当に嬉しいです！ (2023年1月8日 14時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2022年11月27日 22時
