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492:ギャルと鬼神の晩 ページ42

言葉とは裏腹に、口元は凶悪に釣り上げた宿儺。
同時、言い終えるや否や彼は続けた。


「『領域展開』」



これが。

半開きになった口の奥で、声にもならない言葉を漏らす。
目の前で今起こらんとしている事を、しかと目を見開き焼き付けなければならない。
否、そんなことを思わずとも、目に焼きつかない方が可笑しいというものだ。

動くななんて言われなくとも、この状況で動くと思うのか。


そう。これが。




「『伏魔御廚子(ふくまみづし)』」




特級呪物____両面宿儺の力。



禍々しい光と圧を携えた社と数多の牛の頭蓋は、悪魔の死体を思わせる。
Aは、目を見張った。

「…初めてだ」

閉じない結界の姿を見るのは。
領域内の結界を閉じずにしっかりと生得領域の具現化を可能にするなんて、あの五条でさえ出来ない。
いや、出来ないのではなく彼はその方法を知らないのかもしれない。

何が言いたいのかというと、Aは宿儺の領域を前にして、呪術の異次元の可能性を思い知らされたのだ。

「…、」

思わず腕を抱きしめた。
鳥肌が止まらない。

閉じないという事で、相手にある程度の逃げる猶予を与えているにも関わらず、宿儺はそれを逆手に取り攻撃範囲の拡大を可能にしているのだ。
彼のレベルまでいけば、逃げ道がどうこうなど関係ない。
彼が判定する全ての場が、必中効果のある領域だと言っても過言ではないのだ。

Aの目の前では、無数の斬撃が視界では捉えられないほど魔虚羅へと浴びせられていた。
魔虚羅だけではない。

きっと、宿儺が“生かす”と判定した全てにその斬撃は浴びせられているのだ。

建物。
物質。
動物。

それから。


「人間…」


宿儺の領域を適応してしまう前に魔虚羅を屠る。

あれだけの斬撃が飛び交った世界で、不気味なほどの静寂が訪れた時には、すでに魔虚羅は自身の足で立つことは出来なくなっていた。

這いつくばりながらも、早くも再生を体が始める。

しかし、宿儺は間髪入れず術を放った。



「『(フーガ)』」



弓と矢で射るような仕草をした時、彼の腕の中で矢が具現化を果たす。
ごうと燃える炎の矢。



炎の矢は、その後ほどなくして魔虚羅を貫き、辺り一帯を更地へと変えてしまった。



一瞬、Aの瞳と金の髪を明るく照らした炎。

だが、今はそれがどこに消えたのか分からない。
見慣れた渋谷がどこに行ってしまったのか分からない。


暫く、Aは動くことが出来なかった。

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プルメリア - ありがとうございます!頑張りますね! (2023年1月9日 7時) (レス) @page5 id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - プルメリアさん» 出来てますよ…!多分、宿儺のやつですかね…?まだ中身を確認していないので、あれですが投稿自体は出来てますよ…! (2023年1月8日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - えっと、あの、忙しかったらいいです!ただ、きちんと投稿できているかだけ...お願いします... (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 私、試しに投稿してみたんですが...きちんと投稿できているか心配でして。少し確認してくれませんか? (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 本当に嬉しいです! (2023年1月8日 14時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2022年11月27日 22時

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