475:ギャルと23時6分 ページ25
きっぱりと言い放ったその言葉に、漏湖は口を噤む。
「俺には俺の計画がある」
それに_______、
宿儺は言いかけて、辞める。
今の間、一体何だったのか。
遠い目を一瞬見せた宿儺。一体、その瞳で何を見ようとしたと言うのだろう。
そういえば、あの生意気な小娘『可借夜A』はどこに行ったんだ。
自分から逃げてまで、虎杖こと宿儺を探しにいったくせに。
漏湖は、先ほどまで対面していたAの姿を思い出し、何となく不愉快な気分になったのでかき消した。
「だがまぁ、」
気づくと、あの邪悪さが戻ってきた瞳で、こちらへ目を向けている宿儺。
「指の事もあるしな。礼だ、かかってこい。一撃でも俺に入れられれば、下についてやろう」
口の端を宿儺は凶悪に吊り上げる。
「その暁には、手始めに渋谷の人間を皆殺しにしてやろう。“二人”を除いてな」
漏湖はその時思い出した。
もう一人は分からないが、“二人”のうち一人は確実に可借夜Aであると。
そうだ、夏油の奴が言っていたのだった。
宿儺とAの間には、何かしらの関係があるのだと。
「二言は、ないな_____________それと、一つだけ追加させてもらいたい」
もし逆鱗に触れた場合。
今から言う自分の言葉が、宿儺の何かに触れた場合。
自分はここで死ぬことになる。しかし、彼が今から言う言葉を呑んでくれれば…。
あの厄介な女。
可借夜Aに一矢報いることができる。
あの女は、この先の未来では生かしておけない。
漏湖は、生唾を飲み込む。
決心する。
たとえ、宿儺が可借夜Aを生かしたがっていたとしても、奴は『危険』だ。
今後、より厄介で大きな危険因子になる。
「可借夜Aとの関係を、聞かせてもらいたい」
その言葉に、宿儺の瞳が分かりやすく丸くなった。
そして、すぐにその瞳は形を変え弧を描く。
挑戦的で、自身の負けのビジョンなど一切見えない瞳。
「いいだろう。俺が一撃も隙を与えなければいい話なのだからな」
23時6分、Aは轟音により目を覚ました。
「ん...、」
起きようと思い、手を動かそうとすると動かない。
そうか、片手は動かなくなったんだった。
早く硝子に治してもらわないとまずいな。
魔法使いじゃないので、あんまり頼ってもらっても困ります。と、以前硝子から言われたのをふと思い出す。
そういえば、次腕をどうにかしてきたら義手を引っつけると脅されたっけ。
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プルメリア - ありがとうございます!頑張りますね! (2023年1月9日 7時) (レス) @page5 id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - プルメリアさん» 出来てますよ…!多分、宿儺のやつですかね…?まだ中身を確認していないので、あれですが投稿自体は出来てますよ…! (2023年1月8日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - えっと、あの、忙しかったらいいです!ただ、きちんと投稿できているかだけ...お願いします... (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 私、試しに投稿してみたんですが...きちんと投稿できているか心配でして。少し確認してくれませんか? (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 本当に嬉しいです! (2023年1月8日 14時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2022年11月27日 22時