473:ギャルと鬼哭啾啾 ページ23
____。
時は少し遡る。
宿儺の指が開放された事に気づいた漏湖は、急いでその気配を辿り在処へとやってきた。
そこで鉢合わせたのは、二人の少女____美々子と菜々子。
そして、彼女らの傍らで眠る男の姿。
虎杖悠仁...!
しかも、顔に宿儺を表す紋様が浮かび上がっている。
漏湖はすぐに察した。
この二人が、恐らく眠る虎杖に宿儺の指を喰わせたのだと。
漏湖は手早く少女二人の処理を済ませると、自身が持ち合わせていた残りの指を虎杖へ喰わせる事にしたのだ。
この状況を利用しない手はない。
しかし、少女達も一筋縄では行かなかった。
虎杖の体に15本指が入ったあたりで、少女達は起き上がってきたのだ。
とはいえ、特級呪霊の中でも頭ひとつ抜ける漏湖の敵ではない。
次こそは殺してしまおうか。
そう思い、彼女らへ片手を翳したその時だった。
宿儺が、目覚めたのだ。
「1秒やる。________退け」
圧倒的な邪悪と気迫がそこにあった。
漏湖は、ほぼ反射的に飛び退き彼から距離をとる。
少女達も馬鹿では無い。今一体何が起きているのかを、彼が復活した時点で察した。
少女含め、漏湖、合わせた三人がその場で即座に判断した。
今から自分達がする一挙手一投足が全て死因になり得るのだ、と。
「頭が高いな」
虎杖の声とは思えない低い音。
相手の平伏が当たり前だと認識し疑わない、そういう声音だった。
少女達と漏湖は、彼の言葉がまるで呪言であったかのような速度で膝をつき頭を下げる。
別に彼の言葉に従ったわけでは無かった。
体が、勝手に動いたのだ。
自分の意思ではない。漏湖がそう思った矢先、今度は有無を言わさず自身の頭部から血液が溢れ出たのに気づく。
一体、いつ...ッ!?
この自分が、認識できないとは。
「片膝で足りると思ったか?」
悠然とした態度で述べる虎杖、ではなく宿儺。
彼は目の前で地に這い蹲るよう頭を下げる少女二人にまず目を向けた。
「ガキ共。まずはお前らだ。俺に何か話があるのだろう。指の一本分ぐらいは聞いてやる」
言ってみろ。
だが、長くは待たない。
そういう気迫があった。
少女らはそれが分かっているようで、数秒も待たずして手短に要件を述べた。
恐らく、彼女らは、以前からずっとこの要件を宿儺に申し出るつもりでいたのだろう。
金の髪の少女、菜々子が先に口を開く。
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プルメリア - ありがとうございます!頑張りますね! (2023年1月9日 7時) (レス) @page5 id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - プルメリアさん» 出来てますよ…!多分、宿儺のやつですかね…?まだ中身を確認していないので、あれですが投稿自体は出来てますよ…! (2023年1月8日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - えっと、あの、忙しかったらいいです!ただ、きちんと投稿できているかだけ...お願いします... (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 私、試しに投稿してみたんですが...きちんと投稿できているか心配でして。少し確認してくれませんか? (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 本当に嬉しいです! (2023年1月8日 14時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2022年11月27日 22時