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462:ギャルと大人ヅラ ページ12

差し出されたAさんの手。
細くて、靱やかで、本当にこれで殴る蹴るが出来るのかというぐらい綺麗な手。
いつもと違うのは、その手の上で赤黒い血液がぬらぬらと異様な光を帯びていることぐらいだ。

何度も差し出された手。

俺に与えるばかりで、俺が渡そうとしたものは何時だって「子供なんだから、とっておきなさい」と丸めて握り返してしまう。

今だって、俺からは何も受け取ろうとしない。
俺に預けてばかりで、何も。
Aさんが今差し出す手は、『桐壺』の為だけの手だ。
俺から何か受け取る為の手ではない。


『桐壺』を持つ俺の手に力が篭る。



なんでもかんでも俺に預けて、子供扱いするAさんが________俺はずっと嫌いだった。



「…ッ」


俺が居なきゃ、アンタはもっとずっと自由だったのに。
なのに、俺にばかり構って。自分のことはどうでもいいみたいな顔しやがって。
子供だから、子供だから。そればっかりだ。


「嫌です」


「…恵、」


「渡したくありません」


Aさんの顔があからさまに困惑の色を見せた。
だけど、俺の顔が本気で言っているのが分かると、すぐに鋭い刃物のように目を細めて厳しい口調で「恵。巫山戯てるのか?それとも我儘か?」と訪ねてきた。
俺の答えを求めるつもりの無い問い。


「死にたく無いなら、渡せ」


Aさんが低く淡々と述べる。











_______恵

Aさんが、夕暮れの空を背に俺の名前を呼ぶ。
小学生の俺は俯いて何も返さない。
頬の傷が痛い。湿布が妙な冷たさを与える。夏なのに。
膝小僧も、腕も、痛い。


痛いの?


俺のランドセルを、片腕だけで背負うAさんが俯く俺の前にしゃがみ込む。
俺は何も言わない。Tシャツの裾を両手で握る。
Aさんの頬にも湿布が貼ってあった。
俺が殴った相手の母親に、張り手を喰らったんだ。
俺のせいだ。


「どうして…俺のこと悪く無いって言ったんですか…」


言うと、Aさんは驚いたように目を丸くして言った。


だって、本当に恵が悪く無いからだよ。


「俺が悪いことにすれば、Aさんは殴られなかったです。…嘘でも、そうするべきだった」


そうやって俺が言うと、Aさんは柔らかく笑って俺の頭を撫でた。



恵。言いたいことは言わなくちゃ。
そうじゃないと、なんにも守れないよ。














ぎり、俺の奥歯が音を鳴らす。



「___いは、」


「…?」


「アンタの“呪い”はその程度なのかよ…ッ!!」

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プルメリア - ありがとうございます!頑張りますね! (2023年1月9日 7時) (レス) @page5 id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - プルメリアさん» 出来てますよ…!多分、宿儺のやつですかね…?まだ中身を確認していないので、あれですが投稿自体は出来てますよ…! (2023年1月8日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - えっと、あの、忙しかったらいいです!ただ、きちんと投稿できているかだけ...お願いします... (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 私、試しに投稿してみたんですが...きちんと投稿できているか心配でして。少し確認してくれませんか? (2023年1月8日 20時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア - 本当に嬉しいです! (2023年1月8日 14時) (レス) id: 6b30db01b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2022年11月27日 22時

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