542：仕事の話 ページ46
電話口からは、シルバの『良かった』と笑う声が聞こえ、どこか気恥ずかしくなってしまう。
「ほ、ほらっ、父さんこそ本当に娘の近況知る為だけに電話してきたの？」
まさかねぇ。なんて思って、Aは恥ずかしさに別の話題を切り出すと、案の定シルバは『あぁ、そうだったそうだった』と本来の目的を思い出した様子を見せた。
やっぱり。
Aは、なんとなく携帯を右耳から左耳へと変える。
程なくして、シルバの咳払いが聞こえた。
ここから真剣な話に入るという合図でもあった。
父の声から暗殺者の声に変わる。
『イルミから仕事の内容は聞いたか？』
「ええ。オークションに乗じて幾つかの組の頭を潰すって」
Aの瞳が、すうと細く研ぎ澄まされる。
こういう目をする時のAの顔は、双子のイルミが目を細めた時とよく似ている。
殺し屋の目、と言われればそうなのかもしれない。
「いいの？そんなこと」
Aは腕を組み訊ねた。
どこの誰を潰すかはさておき、均衡が崩れるのは免れないだろう。
『さぁな。どちらにしろ、俺たち側にはさほど影響は出ないさ。顧客が一人消える代わりに、新たな顧客が増える』
世の中には、権力や地位を勝ち取るためなら多額の費用を払い殺してしまった方が早いという場合が往々にして存在する。
そんな馬鹿な。と思うかもしれないが、そんな馬鹿な事が無ければ、ゾルディック家は存在しない。
Aは、曖昧に頷き「まぁいいわ」と返す。
「私が殺す訳じゃなくて、私は父さんと爺ちゃんのサポートだものね」
肩が軽いのなんのって。少し笑って述べると、通話口からは思ってもない言葉が返ってきた。
『いや、お前にも潰しの仕事はして貰うつもりだぞ？』
「え゛！？」
『お前、“シュウ=ウ一家”との関係を切ったらしいな』
シルバの言葉に、思わずAは耳から携帯を離してしまう。
ギョッとして、通話口を見遣るA。
なんで知ってるんだ。
『あぁ、別に俺としては怒っていない。寧ろ、間接的にだがウチの娘を嵌めたんだ。そのぐらいの制裁をしても何ら問題は無い』
恐らく、この言葉から察するにシルバは、Aが家出をしていた数ヶ月間の中身をイルミから聞いたのだろう。
しかし、イルミに話したのは今日の午前だ。
仕事のできる弟は、報告連絡が早い。
『だが、』とAの言葉を待つでもなくシルバは続ける。
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鼻毛太郎(プロフ) - ドリアンさん» コメントありがとうございます😭🤍出会えたことにとっても感謝です；；話数の問題で、次章へとこれから続きますが、是非これから先も楽しんで頂けるよう励んで参ります！！お付き合い頂ければ有難いです…🤍 (2023年4月15日 20時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ドリアン(プロフ) - 初コメ失礼します！面白すぎて全話読みました！応援してます (2023年4月14日 19時) (レス) id: f43b62c151 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» 送らせて頂きました🙇♀️ (2023年4月8日 17時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ろーるぱん(プロフ) - はい！。あのそちらがボード作ってくれると嬉しいです。そのオリキャラ紹介会話とかしてみたくって。お願いします！。（💦） (2023年4月8日 16時) (レス) id: f00e1d6c6c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» コメントありがとうございます！！🙌めちゃくちゃ嬉しいですー！🥺ぜひぜひ、私で宜しければボード送ってくだされば反応返します…！ (2023年4月8日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2022年11月11日 16時
