537：彼岸の園 ページ41
自分とは対して歳の差はないだろうし、それに自分への接しかたを思うにAとの間に対して溝はないのかもしれない。
「普通にパクノダじゃダメなのか？」
「呼び捨ても何だか、ねぇ…」
フィンクスの言葉に返しながら、Aの斜め上を見上げとんとんと頬を叩く。
「パクはどうだ？」
「ちょっと親しすぎないかしら」
そう返され、クロロは「変なところで律儀だな」と呟いた。
「団の皆ほど会ってそれほど経っていないし、だけどもう少し柔らかく呼びたいのよね…」
うーん、Aは暫く唸った後、閃いたと大きく声を上げた。
「“パクちゃん”！！」
パクノダの瞳。
それと、クロロの瞳が見開かれた。
Aはといえば、満足と言わんばかりの表情を浮かべていた。
「しっくりきたか？」と訊ねたボノレノフに、Aは親指を立てて見せる。
その時、タイミングよくAの携帯が鳴り、懐から取り出すなり顔を歪めた。
「…父さんだわ」
遂に電話をかけて来たってわけね。
Aは呟くと、皆に断りを入れ外に出ていった。
Aが出ていくと、途端に静寂が戻ってくる。
彼女が場にいる全員を繋げるのが上手いのは、天性の力なのだろうか。
パクノダが、ふっと笑って髪を耳にかけた。
クロロが誰に聞かせるでもなく呟く。
「いい呼び名じゃないか」
クロロの懐でも携帯が震えた。
ウボォーギンからの電話だ。
私は、これでも結構父が好きである。
そりゃあ、長女故に父親特有の鬱陶しさはあるものの、強くてかっこいい父親だという点は間違いない。
私にとっての、最強の父親。どの点においても、そう言える。
誇りだ。
“完璧”
そう。“完璧”な父親。
だけどそれと同時に＿＿＿＿私は、少しだけ父が怖い。
幼い頃に起こしてしまったあの事件。
あの時、父が見せた瞳が未だに私の頭からこびりついて離れない。
初めて『エデン』の全貌を目の当たりにした父は、その後すぐに腕の中の私に目を向けた。
その時の目は、心なしか怯えた目で私を見ていた。
あの父が、だ。
私を、一瞬にして娘ではない何かとして捉えた。
その目で私を見たのは、たったそれっきり。
父は、それから事件について一切触れることはなかった。
勿論、私もない。
触れたらきっと、父との関係が何か大きく変わってしまう気がする。家族なのに。
そういう漠然とした不安がある。
だから私は、少しだけ父が怖い。
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鼻毛太郎(プロフ) - ドリアンさん» コメントありがとうございます😭🤍出会えたことにとっても感謝です；；話数の問題で、次章へとこれから続きますが、是非これから先も楽しんで頂けるよう励んで参ります！！お付き合い頂ければ有難いです…🤍 (2023年4月15日 20時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ドリアン(プロフ) - 初コメ失礼します！面白すぎて全話読みました！応援してます (2023年4月14日 19時) (レス) id: f43b62c151 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» 送らせて頂きました🙇♀️ (2023年4月8日 17時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ろーるぱん(プロフ) - はい！。あのそちらがボード作ってくれると嬉しいです。そのオリキャラ紹介会話とかしてみたくって。お願いします！。（💦） (2023年4月8日 16時) (レス) id: f00e1d6c6c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» コメントありがとうございます！！🙌めちゃくちゃ嬉しいですー！🥺ぜひぜひ、私で宜しければボード送ってくだされば反応返します…！ (2023年4月8日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2022年11月11日 16時
