535：パクの杞憂 ページ39
ぴたと止まるクロロの手。
ページを捲り切る途中で止まったのだが、そんな彼の手に上から自身の手を重ね強制的に捲らせるA。
しかも、それに対して特に何か言及するでもなく、捲らせるとそのまま横から覗き込んだまま本を読み進めるのだ。
「…そんなに読みたいなら、貸してやるが？」
俺は既に一周してるし。
あのクロロが気を利かせAに言ってやると、Aは本から顔を上げて「いや、返すのが面倒だからいいわ」とキッパリ返した。
そして、片足だけを抱え込み、その膝に頭を預けるとAはクロロに向かって「読んで」と告げる。
その姿、なんと絵になることか。
現実離れした容姿も相まって、彼女はロボットですと言われたらそうですかと素直に頷いてしまう気迫があった。
眺めていたフィンクスは思わず生唾を飲み込む。
同性のパクノダでさえ釘付けになってしまっていた。
あのヒソカが落ちただけある。その力、伊達じゃないわね。パクノダは思うと同時に、クロロは大丈夫だろうかという気分になってしまった。
彼は、Aと会った時からどこかおかしい。
そう、それはAと殺し合ったあの日からだ。
偶然顔を合わせた人物をそうまでして探し出す意味とは何か。何が彼を刺激したのか。
そんなに忘れられない人間とはどんな奴だろうか。
そして、偶然が偶然を呼び、まるで初めて会った時から今この時再び合間見えるのが最初から決まっていた“運命”かの如く出会った際に、彼はどんな感情を抱いたのだろう。
きっと、彼にとっては“旅団の利益になる能力者“なんて目では見ちゃいない。
本人はそれを見定めている最中なんて言っているが、気づいていないだけかもしれない。
昔から、彼＿クロロを見てきているから分かる。
己の知と力についてこれて、時にはそれを凌駕する聡明さを持ち、退廃的は艶やかさの中に間違いない生命力を持つ存在。
掴もうとしても、指先を掠めるだけで掴ませてくれない。だけど、そうやって掠める度に少しだけ己の秘密を見せてくれる存在。
貴女が、惹かれないはずがない。
確かに、Aは殺し屋とは思えないほどに人間として出来ている。
容姿に反した人間臭さと、時に見せる少女のような健気さは本物だ。なんの細工もない。
だからこそ、危うい。
悪いとは言わない。いい子だと思っている。
だけど、それでクロロがどうにかなってしまった未来が時折自分の中で何度も顔を覗かせる。
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鼻毛太郎(プロフ) - ドリアンさん» コメントありがとうございます😭🤍出会えたことにとっても感謝です；；話数の問題で、次章へとこれから続きますが、是非これから先も楽しんで頂けるよう励んで参ります！！お付き合い頂ければ有難いです…🤍 (2023年4月15日 20時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ドリアン(プロフ) - 初コメ失礼します！面白すぎて全話読みました！応援してます (2023年4月14日 19時) (レス) id: f43b62c151 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» 送らせて頂きました🙇♀️ (2023年4月8日 17時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ろーるぱん(プロフ) - はい！。あのそちらがボード作ってくれると嬉しいです。そのオリキャラ紹介会話とかしてみたくって。お願いします！。（💦） (2023年4月8日 16時) (レス) id: f00e1d6c6c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» コメントありがとうございます！！🙌めちゃくちゃ嬉しいですー！🥺ぜひぜひ、私で宜しければボード送ってくだされば反応返します…！ (2023年4月8日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2022年11月11日 16時
