523：もしものため ページ27
「確かに仲良いですけど…私たち」
むぅ、と頬を膨らまして言うA。
ジンは全くと息つきながら「お前は、友達を大切にするところは良いとこだよ」と言ってやる。
すると、Aはあからさまに目を輝かせ「ほんとですか！？」と前のめりになった。
「いやぁ、そうなんです。私は友達を大切にできる良い奴なんです！それに、自分の師匠を敬愛できる、よく出来た弟子でもあるんです...ジンさん...ほら褒めてくださいよジンさん」
「カイト、こいつを粗大ゴミに出しとけ」
「どーーーしてですか！素直に嬉しがってくださいよ！！」
じたばたと暴れるAに、ジンは付き合ってられんと肩を竦める。
Aにとって、ジンという存在は理想の男であった。
というか、この頃のAにとって歳上の男はジン程度しか居なかったというのもあるのだが、殺しだけが常に側にある環境に押し潰され、逃げ出したAを掬い上げてくれたのはジンだけだった。
師であり、恩人であり、理想の男。それが、Aの中のジンだ。
「異論は認めん！！」
二人の前で仁王立ちになり声を張り上げるジンに、Aはじとりとした目を向け「ソフトとして発売するくせに他言無用って…売る気あるんですか？」と訊ねる。
すると、ジンはケロリとした顔を見せて「いや、あんまねぇ」ときっぱり述べた。
「えぇ…」
「…何のために作ったんですか」
これには、さすがのカイトも言いたくなってしまったようだ。
「大体、売値って幾らでしたっけ」
「58億ジェニーだ」
ジンの代わりに答えたカイトに対し、当のジンも付け足す。
「しかも100本限定な」
「100本だけ！？」
ますます何のために作ったんだか。
Aは呆れて、「まさか、修行のためだけとか…？」と零した。
そのためだけにこんな大掛かりなものを作るわけがないのだが、ジンならあり得てしまう。
そんなジンは首を捻り「ンな訳ねーだろ。作りてーから作ったの」と返してやる。
何だそりゃ、という顔をする二人についに痺れを切らしたのか「とにかく！！」とジンは声を張り上げた。
「他言無用、以上！！」
と無理矢理会話を終わらせるジン。
どう納得しろと言うのだろうか。
「売る気ないのに、寧ろ聞いてくるやついるのかな」
一本も売れないかもよ。Aの言葉に、カイトは「段々、俺もそう思えてきたよ」と頷く。
すると、ジンは「いいんだよ、もしものためだ。もしも」と述べる。
「もしも？」
「そう、もしも。例えば＿＿＿＿、」
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鼻毛太郎(プロフ) - ドリアンさん» コメントありがとうございます😭🤍出会えたことにとっても感謝です；；話数の問題で、次章へとこれから続きますが、是非これから先も楽しんで頂けるよう励んで参ります！！お付き合い頂ければ有難いです…🤍 (2023年4月15日 20時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ドリアン(プロフ) - 初コメ失礼します！面白すぎて全話読みました！応援してます (2023年4月14日 19時) (レス) id: f43b62c151 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» 送らせて頂きました🙇♀️ (2023年4月8日 17時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ろーるぱん(プロフ) - はい！。あのそちらがボード作ってくれると嬉しいです。そのオリキャラ紹介会話とかしてみたくって。お願いします！。（💦） (2023年4月8日 16時) (レス) id: f00e1d6c6c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» コメントありがとうございます！！🙌めちゃくちゃ嬉しいですー！🥺ぜひぜひ、私で宜しければボード送ってくだされば反応返します…！ (2023年4月8日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2022年11月11日 16時
