515：物思い ページ19
＿＿＿＿。
とんでもない発言とプライドを引き換えに弟へああ言ったが、引き下がってくれただろうか。
Aは、机に頬杖をつきため息を吐いた。
先程とは別のカフェで、Aは人を待っていた。
ついさっきメールを貰ったゴン。というか、ゴンなのか分からない人物を。
変なことに巻き込まれてなきゃいいけどなぁ、なんてことを空に描くと店員がやってきたので特にメニュー表を見ること無く珈琲を頼む。
初めて来た店だが、どうせ珈琲なんて何処にでもあるだろ。
弟＿＿イルミが、姉であるAに過保護すぎるのは今に始まったことでは無い。
A本人も承知している。
「…小さい頃に私がそうしてしまったんだろうな」
Aは、誰に聞かせるでもなくポツと呟く。
足を組み頬杖をついて、思い出すのは昔のこと。
幼少期、自宅であるゾルディック家にて自身が引き起こした惨劇。その第一発見者は一緒にいたイルミであった。
片割れである彼にしか当時打ち明けていなかった能力。
念を知らなかった二人は、それをまるで魔法のように捉えて、二人だけの秘密にしていた。
それに、正しい使用方法があるのだと知らずに。
それがただの魔法ではなく、何なのかを知らなかったAは事故とはいえ身ごもった妊婦を、時を早め産ませるどころか、人の形を持たぬ何かに作り替えてしまった。
Aはその時、それがただの殺しではなく人体の禁忌＿＿＿＿神の領域を侵してしまった事に気づいた。
一番近くでそれを目の当たりにしたイルミは、きっとその日を境に胸に決めてしまったのだろう。
俺が、姉さんを守らないと、と。
「やりすぎた、かなぁ…」
物思いに耽るよう窓から外を眺めていると、窓の反射越しに一人の男が向かい側の席にやってくるのが映った。
「お姉さん綺麗だね。一人？」
爽やかな見た目だが、口調は陽気な男。
全く知らない男だ。
Aは、ゆったりと至極気だるげな動きで男の方へ顔を向けて「話かけないで。今忙しいの」と一言返す。
足を組み、さらりと落ちた髪を耳にかけ、流れるような視線で男の爪先から頭まで品定めするよう眺める。
男はといえば、相変わらず爽やかな笑みを浮かべて、不躾に空いた席に腰を下ろす。
「驚いた。大抵は、『誰？』とか聞くんだけど」
忙しいようには見えないけどね。男は笑って言う。
「窓の外からお姉さんが見えて、あんまり綺麗だから声かけようって」
「よく回る口ね。耳がついていないのかしら」
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鼻毛太郎(プロフ) - ドリアンさん» コメントありがとうございます😭🤍出会えたことにとっても感謝です；；話数の問題で、次章へとこれから続きますが、是非これから先も楽しんで頂けるよう励んで参ります！！お付き合い頂ければ有難いです…🤍 (2023年4月15日 20時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ドリアン(プロフ) - 初コメ失礼します！面白すぎて全話読みました！応援してます (2023年4月14日 19時) (レス) id: f43b62c151 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» 送らせて頂きました🙇♀️ (2023年4月8日 17時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ろーるぱん(プロフ) - はい！。あのそちらがボード作ってくれると嬉しいです。そのオリキャラ紹介会話とかしてみたくって。お願いします！。（💦） (2023年4月8日 16時) (レス) id: f00e1d6c6c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» コメントありがとうございます！！🙌めちゃくちゃ嬉しいですー！🥺ぜひぜひ、私で宜しければボード送ってくだされば反応返します…！ (2023年4月8日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2022年11月11日 16時
