511：双子喧嘩 ページ15
これには、Aもヒソカも「あわわわ…」と馬鹿みたいな声をあげてしまう。
穏便に済ませるミッションはこれにて終了というか、完全に失敗である。
「姉さん、どちらか選んでよ。安心して、俺が全部解決して姉さんを幸せにしてあげるから」
各所テーブルでポルターガイストのようにグラスやマグが割れる音がするのは、きっとこれのせいだろう。
「殺すか、針刺すか。どっちがいい？」
ヒソカを真っ黒な目で真っ直ぐ見据えて述べるイルミ。
思わず、この恐ろしい状況にヒソカはと言えばゾクゾクと恍惚の表情を浮かべそうになる。
今は勿論そんなことをするつもりは無いが、やはりこの双子。どちらかを殺した場合、本気でこの自分に襲いかかってくることは確実だろう。
「分かってたけど、貴方よくこの状況で興奮できるわね」
「顔に出てないのによく分かったな...♧」
「何年貴方と一緒にいると思ってんのよ」
呆れた声を漏らすA。
最早それは彼女の中で当たり前の事なのだろうが、ヒソカが「何年君と一緒にいると思ってんの」と言うことはあれど、Aが口に出してくれるのは中々無い。
「A！！？」
今、デレたの！？
Aの方へと急いで顔を向けるのだが、Aはヒソカの反応がよく分かってないのか「...？」と首を傾げる。
その姿、あまりにもあざとく、ほぼ反射的に股間を光らせたヒソカは衝動と本能を横の彼女にぶつけるべく飛びつこうとした。
しかし、それを阻むのはイルミの針。
プロ野球選手顔負けの速度で、針がAとヒソカの間を横切る。
針の先がヒソカの鼻先を微かに掠め、小さな切り傷をつけた。
思わず、Aとヒソカは静止する。
今、動きが数秒早かったら。
嫌な想像だけが頭を埋める。
「俺の許可なく姉さんに触るな」
無機質なのも相まって、恐ろしさが普段よりも数段上がっているイルミの声音。
どうやら、盛る暇は無さそうである。
「…♧」
静かに席へと戻るヒソカ。
あれ、イルミってこんなに怖かった？？？？？
「い、イル、針をしまいなさい」
「姉さんが今目の前で別れてくれるならいいよ」
「どうしてそうなるのよ。私は、私の意思で好きな人を決めるの」
ムッとした顔をするA。
この双子喧嘩を前に、元々気が短いAも徐々にギアが上がっていっている。
「というか、例えばイルが好きになった女の子を私がとやかく言ったら嫌じゃないわけ？」
「うん、嫌じゃないよ。姉さんだから」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 875人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鼻毛太郎(プロフ) - ドリアンさん» コメントありがとうございます😭🤍出会えたことにとっても感謝です；；話数の問題で、次章へとこれから続きますが、是非これから先も楽しんで頂けるよう励んで参ります！！お付き合い頂ければ有難いです…🤍 (2023年4月15日 20時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ドリアン(プロフ) - 初コメ失礼します！面白すぎて全話読みました！応援してます (2023年4月14日 19時) (レス) id: f43b62c151 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» 送らせて頂きました🙇♀️ (2023年4月8日 17時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ろーるぱん(プロフ) - はい！。あのそちらがボード作ってくれると嬉しいです。そのオリキャラ紹介会話とかしてみたくって。お願いします！。（💦） (2023年4月8日 16時) (レス) id: f00e1d6c6c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» コメントありがとうございます！！🙌めちゃくちゃ嬉しいですー！🥺ぜひぜひ、私で宜しければボード送ってくだされば反応返します…！ (2023年4月8日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2022年11月11日 16時
