ふざけるんだ ページ14
焦りばかりが先行し、上手く言葉が出て来ない。
古城はいつも誰にも何も言わずに突拍子もない事するからな。
そんな自分を何とか落ち着ける為、俺はもう一度深呼吸すると、再び重い口を開いた。
「……親父さんの事、聞いたぜ」
『……』
「お前もヒロトから聞いたんだろう？
……その、親父さんが……」
『それ以上は言わないで』
言いたくない。聞かせたくない。でも言葉を続けようとしたその時だ。
話を遮って、扉の向こうから声が聞こえた。
いつもより弱々しい声だったが、確かに彼女の声だった。
「古城…！」
『……鍵、開いてます』
どうやら彼女にはまだ返事する気力はあるようだ。
鍵が開いているとの事なので、少し躊躇ったが俺はドアノブに手を掛け、ゆっくりと手首を捻った。
そっと扉を開いて、中を覗く。
一言で言うと薄暗かった。
カーテンを閉め切って、部屋の電気を付けていないせいだろうな。
何度かこの部屋には足を運んだはずなのに
模様替えでもしたのか、それともベットで力なく伏せる彼女のせいか。全く別の人の部屋に見えた。
「お久しぶりです、不動さん。お元気でしたか？
……はい、私は見ての通りです。お元気どころか身体に力が入りません」
ベットの上でうつ伏せに寝転がる古城は、首だけ動かして俺の方を見ると、弱々しいながらも淡々とした調子で話し始める。
長い髪の毛で顔のほとんどが埋もれて表情はよく見えないが、目のすぐ下には真っ黒なクマが出来ていて、しかも腫れぼったかった。
……この様子を見るに、変に冗談を言っているようには見えないな。
「……無理にふざけるな。今日ぐらいは」
「ふざけてませんよ。本当なんです。
寝返り打とうにも体が重くて……足なんか歩くのを拒否しています」
「とりあえず、入るぞ」
「はい、どうぞ。何もお出しできませんが、はいどうぞ」
「……」
ひとまず入室の許可を貰い、彼女の部屋に足を踏み入れる。
彼女のベットのすぐ傍に腰掛けると、古城は気まずそうに俺から目をそらした。
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＊IJu＊(プロフ) - 白銀さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けて嬉しいです^^更新頑張りますー！ (2021年11月27日 23時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
白銀 - めっちゃ好きです。頑張ってください！ (2021年11月25日 0時) (レス) @page4 id: e22066a027 (このIDを非表示/違反報告)
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