侍の国で鬼達と暮らします(三)【鬼滅の刃】【銀魂】

百六十七：譲れないものも中にはある ページ34

沖田「ちょっ…旦那、姉御」

神楽「銀ちゃん、それにAも本気アルか。血濡れ頭も…」


『本気よ、少なくとも私は』

童磨「俺も本気だけどそろそろ名前覚えてよ」



未だ名前を覚えてもらっていない童磨の抗議は置いておいて、辞めるつもりは毛頭ない。無惨にバレたら叱られかねないが…考えすぎるとフラグが立ちそうなのでやめた。


そして行こうとすれば止められるのはもはや常識らしく、今度はいつの間にか居たクソマヨラー土方が入口近くの壁にもたれ掛かっている。



土方「酔狂な奴だとは思っていたがここまで来るとバカだな。女、お前はお前で突き放す放任主義かと思いきや肩入れしやがる…何なんだお前。とにかく、小物の1人や2人が歯向かったところで潰せる連中ではねーと言ったはずだ…死ぬぜ」


『全責任お前らになすり付けて逃げてやるから安心してよ』

土方「タチ悪いんだよお前はこの間から」


童磨「せめて念仏くらいは唱えてやるから安心しろよ大串くん」

土方「まずお前から死なせてやろーか」


銀時「オイオイ、何だ。どいつもこいつも人の家に勝手に入りやがって」

『お前もたまにやるだろ』



取り敢えず、土方は律儀に忠告をしに来てくれたらしい。余計なお世話だし不愉快極まりない、こいつらがさっさと動いてれば良かっただけの話だと言うのに。



銀時「安心しろ。テメーらにゃ迷惑かけねーよ。どけ」



…私は責任擦り付ける気満々なんだけどなぁ……



土方「別にテメーらが死のうが構わんが、ただ解せねー。わざわざ死にに行くってのか？」


銀時「死にに行かなくても俺達ァ死ぬんだよ」



私は特に死ぬ気は無いから。


ここで死ねば、道連れになる奴らもいるし…本末転倒になるし。



銀時「俺にはなァ、心臓より大事な器官があるんだよ。そいつァ見えねーが確かにドたまから股間ぶち抜いて俺の中に存在する。そいつがあるから俺ァまっすぐ立っていられる、ふらふらしても真っ直ぐ歩いていける。ここで立ち止まったらそいつが折れちまう、魂が折れちまうんだよ」


童磨「……………………不思議な生き物だなぁ、人間ってほんとに」

『アイツは昔っからそうよ、フラフラしてるようで芯は真っ直ぐしてる。結局これもあいつの信念の一端なのよ』



迷うことなく歩いていく銀時の背中をちょっと見てから肩を竦め、ついて行く。


私にはそんな美学がないから、ただ単に怒りをぶつけに行くだけになるけど。

百六十八：とっとと潰れろ→←百六十六：時には感情的になるのも良い

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