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「ついてく?ただついてくだけか?」
サトツ「はい。場所や到着時刻はお答え出来ません。ただついて来ていただきます」
A「…」
何処まで走ればいいのか分からないのはかなり心理的負荷になる。
持久力と同時に精神力も試されるってことね。
ヒソカ「A、辛くなったらいつでも言ってね♡ボクがお姫様抱っこしてあげるから♡」
A「気持ち悪い」
ヒソカの言葉をバサッと切り捨てて、私はペースを上げた。
ヒソカside
Aと別れて、ボクはある人の隣を走る。
ヒソカ「やぁ、隣走っていいかな?」
「もう既に走ってるじゃん。Aはどうしたの?」
ヒソカ「先に行っちゃった」
「どうせまた気持ち悪いことでも言ったんでしょ」
ヒソカ「いやだなぁ、ボクは何も言ってないよ」
「あっそ。ところでA、キルのこと何か言ってた?」
ヒソカ「特に何も。気付いてはいるんだろうけどね」
「気付かないわけないよ。A、
ヒソカ「そうなんだ」
「そろそろ出口だよ。ほらAのとこ行って」
ヒソカ「分かったよ。また何かあればおしえるよ、イルミ」
ギタラクル「よろしく。あとここでは“ギタラクル”ね」
イルミと別れて、ボクは先を走るAを追いかけた。
A「…」
地下道を抜けると、そこは深い霧に包まれた湿原だった。
サトツ「ヌメーレ湿原、通称“詐欺師の塒”。二次試験会場へはここを通って行かねばなりません。この湿原にしかいない奇怪な動物達。その多くが人間をも欺いて食料にしようとする、狡猾で貪欲な生き物です。十分注意してついて来て下さい。騙されると死にますよ」
試験官の言葉に息を呑む受験者達。
すると、背後のシャッターが閉まり、受験者達は前に進まざるを得なくなる。
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作者名:風鈴草 | 作成日時:2021年4月9日 3時