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キルア「別になりたかった訳じゃないよ。ただなんとなく受けてみただけさ」
イルミ「…そうか、安心したよ。心置きなく忠告出来る。お前はハンターに向かないよ」
キルア「!」
イルミ「お前の天職は殺し屋なんだから」
イルミ兄さんは禍々しいオーラを放ちながら、キルにそう言い放った。
イルミ「お前は熱をもたない闇人形だ。自身は何も欲しがらず何も望まない。陰を糧に動くお前が唯一喜びを抱くのは人の死に触れた時。お前は親父と俺にそう育てられた。そんなお前が何を求めてハンターになると?」
キルア「確かに…ハンターにはなりたいと思ってる訳じゃない…だけど俺にだって欲しいものぐらいある」
イルミ「ないね」
キルア「ある!今望んでることだってある!」
イルミ「ふーん、言ってごらん?何が望みか」
キルア「…」
イルミ「どうした?本当は望みなんてないんだろ?」
キルア「違う!ゴンと…友達になりたい…もう人殺しなんてうんざりだ…ゴンと友達になって普通に遊びたい…」
A「キル…」
イルミ「無理だね」
キルア「!」
キルアの望みをイルミ兄さんは容赦なく切り捨てる。
イルミ「お前に友達なんか出来っこないよ。お前は人というものを殺せるか殺せないかでしか判断出来ない。そう教えこまれたからね。今のお前にはゴンが眩しすぎて測り切れないでいるだけだ。友達になりたい訳じゃない」
キルア「違う…」
イルミ「彼の傍にいればいつかお前は彼を殺したくなるよ。殺せるか殺せないか試したくなる。何故ならお前は根っからの人殺しだから」
キル「…」
A「…れば」
ヒソカ「A?」
A「さっきから黙って聞いていれば、あんたそれでもその子の兄なの!?」
気付けば、私は声を出していた。
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作者名:風鈴草 | 作成日時:2021年4月9日 3時