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42. ページ43

キルア「別になりたかった訳じゃないよ。ただなんとなく受けてみただけさ」


イルミ「…そうか、安心したよ。心置きなく忠告出来る。お前はハンターに向かないよ」


キルア「!」


イルミ「お前の天職は殺し屋なんだから」


イルミ兄さんは禍々しいオーラを放ちながら、キルにそう言い放った。


イルミ「お前は熱をもたない闇人形だ。自身は何も欲しがらず何も望まない。陰を糧に動くお前が唯一喜びを抱くのは人の死に触れた時。お前は親父と俺にそう育てられた。そんなお前が何を求めてハンターになると?」


キルア「確かに…ハンターにはなりたいと思ってる訳じゃない…だけど俺にだって欲しいものぐらいある」


イルミ「ないね」


キルア「ある!今望んでることだってある!」


イルミ「ふーん、言ってごらん?何が望みか」


キルア「…」


イルミ「どうした?本当は望みなんてないんだろ?」


キルア「違う!ゴンと…友達になりたい…もう人殺しなんてうんざりだ…ゴンと友達になって普通に遊びたい…」


A「キル…」


イルミ「無理だね」


キルア「!」


キルアの望みをイルミ兄さんは容赦なく切り捨てる。


イルミ「お前に友達なんか出来っこないよ。お前は人というものを殺せるか殺せないかでしか判断出来ない。そう教えこまれたからね。今のお前にはゴンが眩しすぎて測り切れないでいるだけだ。友達になりたい訳じゃない」


キルア「違う…」


イルミ「彼の傍にいればいつかお前は彼を殺したくなるよ。殺せるか殺せないか試したくなる。何故ならお前は根っからの人殺しだから」


キル「…」


A「…れば」


ヒソカ「A?」


A「さっきから黙って聞いていれば、あんたそれでもその子の兄なの!?」


気付けば、私は声を出していた。

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設定タグ:HUNTER×HUNTER , ゾルディック家 , キルア=ゾルディック   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:風鈴草 | 作成日時:2021年4月9日 3時

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