21. ページ22
血の匂いを放つ場所に着くと、そこは床一面に血溜まりが出来ており、無数の男の生首があった。
男の視線の先には、全身傷や痣だらけの裸体の女が鎖に繋がれて死んでいた。
A「…悪趣味ね」
「悪趣味とは失礼だな」
声が聞こえて振り向くと、白衣を着た男が立っていた。
A「本当の事を言って、何が失礼なのでしょう?」
「俺はなァ、女の体をいたぶるのが好きなんだよ!それを恋人に見せつけ、「やめろ!」と泣き叫ぶ顔もとてつもなく好きだ!」
A「別にそんな話聞きたくありませんよ。それより、ここを通してもらえますか?」
「…ダメだね!お前は俺にいたぶられ死ぬ!この部屋に足を踏み入れた時点でお前は俺の玩具なんだよ!」
男はそう言って、斧を構えて、私に向かって来る。
「まずは逃げられねえよう、その綺麗な足を切り落としてやんよ!」
A「…馬鹿な人ね」
斧を振りかざしてくる男を見て、私はそう小さく呟いて目を伏せた。
パキパキ!
「ッて!な、なんだこれは!?」
次の瞬間、男は自分の体を見て、大声を上げた。
男は持っていた斧を落とし、足元の氷を見て、わなわなと震えている。
「おい、てめえ…!俺に何しやがった!!」
A「…その氷が貴方の体を少しずつ蝕んでいき、最期には凍死します。悪趣味な殺人鬼にはお似合いの死に方かと」
「な…ッ!や、やめてくれ!助けてくれ!!」
男は私に助けを乞う。
そうしてる間にも、男の足元の氷は、徐々に男の体を蝕んでいく。
A「やめてくれ?助けてくれ?貴方は今まで殺してきた人達の言葉に耳を傾けたことがありますか?」
私の言葉に、男は目を見開く。
A「「この部屋に足を踏み入れた時点でお前は俺の玩具なんだよ」でしたっけ?その言葉そっくりそのままお返しします。
「──────────ッ!!」
私は綺麗にお辞儀をして、男の叫び声が響く部屋を後にした。
61人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:風鈴草 | 作成日時:2021年4月9日 3時