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ヒソカ｢…きて、起きないとキスするよ？♡｣
A｢！｣
ヒソカの言葉に、私はハッと目を覚ました。
ヒソカ｢あれ、起きたんだ。残念♡｣
A｢朝から気持ち悪いこと言わないでくれる？｣
ヒソカ｢…♡｣
ビーンズ《皆様、大変長らくお待たせ致しました。この飛行船はまもなく目的地に到着致します》
船内アナウンスが流れ、私達は何も無い高い塔に降ろされる。
ビーンズ｢皆様、三次試験のスタート地点はここ“トリックタワー”と呼ばれる塔のてっぺんとなります。合格の条件は、この塔を生きて下まで降りて来ること。制限時間は72時間です。それでは、これより三次試験を開始致します。皆様の健闘をお祈りします｣
ビーンズさんはそう言うと、飛行船に戻って行く。
ビーンズ《皆さ〜ん、頑張ってくださいね〜》
ビーンズさんの声援を背に、私は塔の下を見下ろした。
A｢かなり高いわね｣
ヒソカ｢A、こっち来て♡｣
ヒソカに呼ばれて行くと、地面に下に通じる隠し扉があった。
A｢なるほどね、これで下に降りろってわけ｣
ヒソカ｢一緒に行けないのが残念だよ｣
A｢あんたの顔をしばらく見なくて済むと思うと気が楽だわ。じゃあね｣
私はそう言って、隠し扉に足を踏み入れた。
地面に着地して、顔を上げると、なぜか先程別れたはずのヒソカが立っていた。
ヒソカ｢やっぱりボク達は運命の赤い糸で結ばれているんだね♡｣
A｢…さっさと行くわよ｣
ヒソカの言葉を軽く流して、私は扉の奥に進んだ。
しばらく歩いていると、分かれ道があった。
A｢ヒソカ、どっち行く？｣
ヒソカ｢分かれるのかい？｣
A｢分かれ道があるってことは二手に分かれろってことでしょ。どっちでもいいなら、私は右に行く。ヒソカは左ね｣
ヒソカと再び別れて、右の道を進んでいると、血の匂いが漂ってきた。
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作者名：風鈴草 | 作成日時：2021年4月9日 3時
