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ゴンくんの合図で全員が谷底に落ちて行き、その直後に吹き上げる風で、受験者達は卵と共に上がってきた。
ネテロ「ほっほっほっ」
メンチ「残りは?ギブアップみたいね」
ネテロ「やめるのも勇気じゃて」
その後、取ってきた卵をゆで卵にして、受験者達はその美味しさに舌鼓を打っていた。
メンチ「美味しいものを発見した時の喜び、少しは味わってくれたかしら?こちとら、これに命懸けてんのよね!」
トードー「今年は完敗だ。また来年、出直して来ます!」
その様子を見ていた私は、メンチさんに頭を下げるトードーを見て、少し微笑んだ。
ヒソカ「A」
A「なに…むぐ!」
名前を呼ばれて振り向くと、ヒソカが私の口にゆで卵を入れてきた。
A「!美味しい…」
ヒソカ「だろ?もっと食べるかい?」
A「ありがとう。でも遠慮しておくわ。それはヒソカが命懸けで取ってきたものだから、私のことは気にしないで」
ヒソカ「はい♡」
私がそう言うと、ヒソカはなぜかゆで卵を私に差し出してくる。
A「私の話、聞いてた?」
ヒソカ「聞いてたよ。でもボクが命懸けで取ってきたものを誰にあげようとボクの自由だよね。ほら、あーん♡」
A「…」
頑なに手を引かないヒソカにため息をついて、私はヒソカの手からゆで卵を食べた。
うん、やっぱり美味しい。
こうして、色々あった二次試験が終わり、私達は飛行船に乗って、次の第三次試験会場へと向かうことになった。
ネテロ「残った42名の諸君に改めて挨拶しとこうかの。わしが今回のハンター試験審査委員会代表責任者のネテロである」
ビーンズ「秘書のビーンズです」
ネテロ「本来ならば最終試験で登場する予定であったが、一旦こうして現場に出て来てみると…」
そこまで言うと、ネテロ会長は受験者1人1人の顔を見る。
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作者名:風鈴草 | 作成日時:2021年4月9日 3時