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メンチ「あら、貴方が一番乗りね」
試験会場に戻ると、どうやら私が一番乗りだったようで、メンチさんが話しかけてくれる。
A「そうみたいですね」
私はメンチさんに微笑みかけて、ブタの調理に入った。
ブタの処理をしていると、次々と受験者達がブタを連れて帰ってきた。
受験者達も調理に入り、料理が出来上がり次第、メンチさんとブハラさんの元に届けるが、ブハラさんが合格を出しても、メンチさんは一向に合格を出さない。
メンチ「ちょっと〜!誰か1人くらい、私を満足させる奴はいないの!?」
A「よし」
焼き上がったポークステーキと付け合わせの野菜をお皿に盛り付け、私はメンチさんとブハラさんの元に向かった。
A「遅くなってすみません。審査の方よろしくお願いします」
メンチ「へぇ、見た目はいいじゃない」
メンチさんはそう言い、私の料理を一口食べる。
ブハラ「う、美味い!」
メンチ「うん、美味しいわ…!」
私の料理を食べた途端、2人の顔が明るくなった。
メンチ「45番、文句なしの合格よ!」
A「お粗末様です」
無事に合格を貰い、私は2人にお辞儀をして、元の位置に戻った。
ブハラ「ヘッヘッヘ!食った食った〜!もうお腹いっぱい!」
メンチ「は〜い、私もお腹いっぱい!てなわけで合格者1人!終了〜!」
その後も審査は続き、そして私以外合格者が出ないまま、二次試験は終わりを迎えた。
メンチさんの言葉に、受験者達はざわつき始める。
「合格者1人?」
「マジかよ!」
「本気で言ってんのか?」
「まさか…これで終わり?」
「冗談じゃねえぜ!」
受験者達が不満の声を漏らす中、先程美食ハンターのことを嘲笑っていた男がコンロを破壊した。
「納得いかねえな!こんなの、俺は絶対に認めねえ!」
メンチ「不合格の決定は変わらないわよ」
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作者名:風鈴草 | 作成日時:2021年4月9日 3時