【A3!】誰かの1番になりたい。

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彼はその後も私が気に障ることをすればぶん殴り、ぶん殴りの繰り返しだった。


あーあ、これじゃあ顔中湿布だらけじゃん。私、一応「女の子」なんだけどなあ



そんな呑気なことを、彼に馬乗りでぶん殴られながら考えていると





「……アンタ、何してんの」

「あ？」

「ぇ、」




えーっと、ああ、確か、誰だっけ、

確か、いづみのことが大好きな彼が路地裏に現れた。



2度目のめんどくせえ


このままやられるだけやられて、スッキリさせて終わろうと思ってたんだけど、めんどくさいなあ。




「った、助けて！」



丁度殴られまくっていたので震えながら彼に縋り、助けを求める。


見崎 景助…案外ヒョロいな、これぐらいなら私も1発ぶん殴っとけばよかった



か弱い女の子の演技をしながらそんなことを考えていると、見崎 景助が「ソイツがナニしてた野郎か？あ"？」と。



あれ、彼、太一の顔までは覚えていなかったのね。髪の色でバレたと思ったのだけど…


まあいいや。
私は見崎 景助に向かって「そうよ、それじゃあ」と一言残し、いづみ大好き星人の彼に「走って！！」と力強く言った。




彼と手を繋ぎ走る商店街は、あまり苦ではなかった。

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