暗殺者執事 〔 Ｈ×Ｈ 〕

暗殺者執事の回顧 ページ33

《そこに居る者へ告ぐ 連絡せよ》



イルミのスマホに応答が無くついに父シルバが別荘に連絡してきたのだ。

強制的に起動されたパソコンに書かれていたメッセージと電話ナンバー。

それを見てAは素直に別荘の電話から連絡した。



prrrr...prr..PI！



『パソコンを見て連絡したのですが、どちら様ですか』


「そちらから名乗れ」


『用が無いのであれば切らせて頂きます、では』


「待て」



はあ…と随分重いため息を吐くシルバ。



「Aだな、イルミはどうした」


『一応お伺いしますが、シルバさんという保障は？』


「イルミについてなら何でも知っている、ひとつ質問を許す、可能な限りで答える」



威厳ある声。

この声でイルミを育て暗殺を教えてきたのだ。



『イルミさんについてではなくて良いですか？』


「可能な範囲でなら、だ」


『シルバ＝ゾルディックさんのご兄弟は何人ですか？』


「…」


『イタズラ電話と判断して切らせて頂きます』


「待て」



長い、長い沈黙。

シルバも動揺したであろうし、質問したAも答えを聞くのが怖かった。



「ゾルディック家以外の人間が知る必要の無い事だ」


『…そうですか。 イルミさんは寝そうで寝ないでいる最中です』


「どういう事だ」


『分かりません、が…幼児返りをした様に我儘放題でどうにもならない状態で困っています』


「幼児返り…？ 何の冗談の類だ」


『いえ、本当に困っていて出来れば本物の執事の方に来て貰えればと思っています』



次の間も長かった。

Aが嘘を言っているか疑っているのとは違う、妙な間。



「イルミは無事なんだな」


『はい』



鏡を見つめ自分に答える様に全く嘘の無いAの声、心音、シルバには聞こえているのだ。



「…質問に答えなかったのに何故正直に話した」


『聞いても無駄だと思ったからです』


「なら何故その質問をしたか聞いても？」


『…イルミさんにはどうやら私が知る二人の弟さん以外にも二人存在しています』


「…」


『それはそうです。 完璧な暗殺者一人育てるには一人の子供では足りないと思いました』


「……」


『イルミさんの話を聞くまで私も何も考えなかったんです、でも違和感が膨らんで…。

マハさんもゼノさんもシルバさんも一人っ子なんて事は無いんじゃないか、と思ったんです』


「何が言いたい」






『ゾルディック家を継ぐのは一人…他の兄弟の方は今、何をして、どこに居るんですか？』


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７月１８日　ゆーじ雑記※イラスト頂きました!!（お礼番外編付）→←暗殺者執事の秘密

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