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「骨と魂をここに捧げる。復元魔法よ、発動しなさい」
唱えると、目の前で夕闇燈が出来上がる。やっぱり、自分に似ているな、なんて考える。
「うっわぁ……やっぱ燈と蒼海ちゃん激似だわ……」
及川先輩が言うのに私は笑ってから、
「じゃあ、後は2人でどうぞ。1時間程度しかもたないので、手短に」
では、と言って及川先輩と燈を残して離れたところに行く。
まだ、そこには国王がいた。影山くんも一緒にいたから、話していたのかな、と思う。
「影山くん、話できた？」
影山くんは頷いて、「もう大丈夫だ」と言った。
「ねえ、国王様」
そう、全く敬っていないような、まるで友達に話しかけるような口調で呼ぶ。
「なんだ？」
少し、警戒しながら聞き返される。
私は少しだけ笑って、
「人体実験の実験体の自由の約束と安定した生活の約束をしてください。そうすれば、私は何されてもいい」
驚いたようにこちらを見つめ返される。返事が返ってきたのは数秒後だった。
「……分かった。約束しよう。それと」
そこで一旦切ってから、少しだけ息を吸って、吐いて、一瞬止める。息を整えているようだった。
「君には、何もしない。間違いを気づかせてくれたのと、やめるきっかけをくれた。こちらから、何か君にさせてくれ。まあ、強いて言うならこの王宮とこの国の修復だがな」
本当は、この人はいい人なんだと、そう思った。国王という重圧に押し潰されてしまっただけなんだと。
「当然です。責任をもって直させていただきます。で、してほしいことですが…………この国の人が平和に暮らせるのであれば、なんでもいいです。もともと、夕闇燈の2つの願いのうち1個はそれでしたから」
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この国にかかった呪いは、私だ。私自身がこの国にかけられた呪い。
それが解けたら、世界はきっと綺麗な世界になる。腐りきった世界は、呪いで腐ったんだ。
あぁ、最初から綺麗な世界だったら良かったのかなって、考えてみる。
でも、それじゃきっとつまらないから、これでいいんだ。
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作者名：凛花 | 作成日時：2017年1月9日 16時
